※改訂作業中※ 漆黒の世界に陥る時と再生する時 〜彼女がNTRたが〜

アキノリ@pokkey11.1

第一章 復讐

甘い缶コーヒー

第1話 復讐心を燃やす世界に変わる時(編集)

「先輩。聞いた限りですがあり得ません。このままではいけませんよ。復讐しましょう。絶対に許せません」


「復讐って何だ。一体何をするんだ俺は」


「まあ冗談抜きでそれぞれで一発ずつ殴るのもアリですが.....関係性をドロドロにしましょうよ。.....昔から私はこういうの絶対に許せないので」


黒の長髪の究極の美少女。

俺が渡した三日月のネックレスを愛用している幼馴染の山崎三日月(やまざきみかずき)の浮気を昨日知ってから中庭であまりのショックに俯く。

するとそんな騒がしい声がして顔を上げる羽目になった。


ボブヘアーの地毛の茶髪。

そして顔立ちは若干幼いなれど見事な美少女。

手首にミサンガを着けている。

抜群に胸が大きいスタイルの後輩の横山姫(よこやまひめ)が接触して来た。

俺に対してハイライトを消した目で見てくる。


「三日月先輩もそうですが.....寝取った龍騎先輩にも復讐しないと。絶対にダメですよこれ」


「何をするか知らないがそれは犯罪だ。それにそんな事はアイツらと同じでしたく無いんだが。勘弁してくれ」


「犯罪になるとかならないとか悩む必要ありますか?相手が仕掛けたんですよ?相手が悪いんですよ?全ては。だったらもう悩む必要無くぶっ潰しましょう」


「まあな。.....でもあくまで俺もあんな奴らと同じになりたくない」


「ダメですって。復讐しないと意味無いです。この状況は。私は許せないです」


確かにな。

コイツの過去を考えるとそうなるかもな。

そんな言葉を掛けられた前日の話だが。

宮藤和歌(くどうわか)。


顔立ちはそれなりの運動神経もそこそこで勉強もそこそこ。

そんな平凡高校生の俺だが喫茶店で若宮龍騎(わかみやりゅうき)がイチャイチャしている姿を見て。

それから変なホテルに共に入って行く姿を偶然見掛けた。


龍騎は学校1のイケメンの友人であるのだが。

そこらでホストでも出来そうなぐらいだが。

今となっては正直恨みしか無い。


手に持っている傘を強く地面に殴り捨てるレベルの怒りが襲う。

雨に思いっきり濡れながら。

当然だが復讐するべきだとは思った。

だけど色々考えてみたけど復讐としても俺が犯罪者になる。

そして同罪だ。


浮気は悪い事だがそれで犯罪者になりたくは無い。

そう思っていたのだが後輩の横山に説得されて、確かにな、と思ってしまう自分がこの場所に居た。

恐ろしすぎる。

そして何を思ったか横山が俺を抱きしめてきた。


「ちょ。何やってんだ!?」


「可哀想な先輩。私が慰めてあげます」


「いや言葉遣いに気を付けろお前。それって卑猥に聞こえたりもする」


「確かにそう聞こえなくも無いですね。この現状で今の言葉なら。でも先輩が望むなら今からでもやりますが?」


「冗談でもよせ。俺はそんな事は望んでないから」


そうだ。

今思うのは復讐の事だ。

浮気だと思う三日月に寝取った龍騎に復讐しないといけない。

思いながら俺は横山を見る。


横山はニヤッとして横に腰掛けながら、先輩。取り敢えずこれ飲みませんか、と何かを差し出してくる。

それは俺が好きな冷たい甘いコーヒーだった。

俺は、こんなもの買って来たのか。お金払おうか、と言うが。

横山は首を横に振る。


「私がこれ買い間違えましたから」


「嘘を吐くんじゃない」


「嘘じゃ無いです」


「.....いいや。お前のその言葉は嘘だな」


お前の事を何でも知っているんだぞ。

同じ美術部員としてな。

何時もそうやって誤魔化す。

そしてこうやって俺に優しく接してくる。


そんな横山の事は良い後輩だと思うしとても良い後輩だって思う。

コイツに彼氏とか出来たら幸せ者だろうな。

胸も大きいし.....って何考えてんだか。

思いながら俺は首を横に振る。

そして横山を見る。


「.....横山」


「はい?」


「俺はどうしたら良いかな」


「私は提案をしただけです。どう動くかは先輩に任せます。.....でも復讐は絶対にやった方が良いでしょう。悪に染まってでも。良いんですか?負けばかりで」


「.....確かにな」


「私は過去の事がありますから」


そう言いながら俺を何か黄昏る感じで見てくる横山。

それから手に持っていたお茶を飲む。

俺はその姿を見ながら溜息を吐く。


そして空を見上げる。

正直まだ三日月とは話が出来てない。

だけど近々でも三日月と話をしないといけないだろう。


彼氏彼女の縁を切る為に。

いや、違うか。

その全ての縁を切る為に、であるが。


思いながら俺はコーヒーを飲んでみる。

甘ったるいのが今は猛烈なパンチになる感じだ。

世の中に目が覚めた。


「先輩。私は信じていましたからね。三日月先輩を」


「そうだな。俺も信じていたんだがな」


「だからこそあの人達には正しい道に導く為に復讐をしてあげないと」


「.....ああ.....お前が言うと説得力があるな」


横山は力強くそう説得してくる。

俺はその姿をチラ見しながら、おっと。そろそろ授業が始まるか、と立ち上がる。

ですね、と同じ様に立ち上がる横山。

それから俺はまた横山を見る。


「.....横山。その。コーヒー有難うな」


「だから間違えたんですって。.....でもまあその分、もしよかったら何か奢って下さい。全てが終わった後にでも.....」


「そうだな。分かった。必ず奢る」


それから俺達はそれぞれの教室に戻る。

そして教室を開け放つとその龍騎が声を掛けてきた。

龍騎はヘラヘラしている。

今直ぐにでも殴り飛ばしたいが。

落ち着け、と思いながら目の前の龍騎に苦笑いを浮かべた。

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