南宮愛奈(なんぐう あいな)の日記 その2

●三月十二日


今日は言実怪異バスターズの活動でしたの。


テケテケという妖怪が言実駅の近くに出るという噂を聞いて、稲荷原流香さんたちと一緒にしらべに行ったんですの。


駅のまわりを探して回りましたけど、いませんでしたわ。


北国で起こったらしい事件が元になった生まれた妖怪がテケテケらしいですわね。


事故で上半身と下半身が真っ二つになったのに、身体が凍ってしまったから運が悪いことに流血が止まって、悶え死ぬ事になった女の子の妖怪らしいですわ。


そのテケテケが都内に出没するのはおかしな話ですわね。


そんな妖怪が出て来るのは、言実町のせいらしいですわね。


言実町はその名前の通り、『言葉』が『実り』やすい場所なのだそうですわ。


流香さんに言わせると、『発した言葉が本当になりやすい』という事らしいですわ。


言霊が現実のものになりやすいとも言っていましたわ。


誰かが『こんな化物がいた』なんて言おうものなら、言霊の力で本当にそんな化物が生まれてしまうそうですの。


その言霊の力をおさえる事はできないらしいですし、困ったものですわ。


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