900字にして書きかえて❗️新卒は、情熱のSFで焼かれろ!箱の中で、教祖様と2人きり

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 情熱をアピールすれば入社できる会社も社会も、新しいSFだ。「誰かをわざと不幸にしてから勧誘する教祖様」って、知っているかい?

 社会は、SFのように、焼かれている!

 新卒で入った、このデータ会社は、社員の情熱を重視する会社だと聞いていた。

 「情熱をアピールすれば、入社できるらしい」

 そのうわさも、今になって考えれば、SFだった。

 この会社で、まず他人に自慢できるのが、建物。会社は、実に立派な建物の中に、入っていた。

 だが、変な建物だ。

会社からは、釘を刺されていた。

 「新卒の身分で、軽々しく、上にいってみるんじゃないぞ?」

 さすがは、情熱のSF。

哲学的な、世界。

 なぜ、上にいってはならないのか、どうしたって、疑問。

 が、日々の業務のほうに気を回さなければならず、その疑問も、どうでも良くなりかけていた。

 「俺たちは、良いビルディングの中で、働けている」

 それ以上考えている余裕は、なかった。

 仕事は、疲れる。

 面倒な、業務内容。

 なにせ、「いくつもの焼き肉店やサウナの熱データなどを、個人情報に留意して、まとめていかなければならない」んだから。

 「…変な、会社だよな」

 言っても、どうせ、こう返されるんだろうが。

 「社会のため」

 結局は、こうも、言われてしまう。

 「どうだ、新卒?ブラックではないが、熱く、やる気の出る会社だろう?」

 社員たちのストレスも、たまる。

 そんなときには、会社の外を眺めてみたものだ。

 「立派なビルだなあ。俺たちは、この中で働いているんだなあ」

 とにかく、高いビルだった。

 「何階建てかは、知らない」

 笑うな。

 本当に、何階建てか、わからなかった。

 建物案内のない、変わった会社だったから。

 「フツーは、ビルの受付とかで、建物の中の案内ができる人がいるはずなんだけれどなあ。それらしき人も、いない」

 こんな名前で呼ばれるのも、もっともな気がした。

 「SF風な時空ビル」

 新時代のSF だ!

 社員のほうは、いたって、フツー。

 「なあ、新卒?」

 面白い話も、聞けたよ。

 「君たち新卒は、知っているか?」

 「はい?」

 「誰かをわざと不幸にしてから勧誘するっていう教祖が、いるらしいぜ?新興宗教、新卒教」

 「新卒教?」

 「社会って、怖いだろう?過保護な、君たち新卒ちゃんたちは、SF風な時空に巻き込まれないよう、気をつけることだな」

 タワバ先輩は、情報通だ。

 「この会社ってさ」

 「はい」

 「情熱をアピールすれば入社できる会社だって、聞いていただろう?」

 「え、どうして?どうして、それを…?」

 「シューカツで、企業調べをした学生たちは、皆、知っているさ」

 「そ、そうですよね?」

 「この会社に入りたいと思う者は、皆、まず、情熱があるんだとアピールする。というのか、そこをアピールするから、この会社に入っている」

 「ですかね」

 「あまり、情熱をもちすぎても、どうかと思うがね」

 「…はい?」

 それで、会話が終わった。

 不気味、だなあ。

 何にせよ、不思議な雰囲気をかかえる会社であることには、変わりない。SF風な時空の中に、いるのだから。

 「こい、SF!」

 すると…。

 ほら。

 時空が、変わってきたぞ!






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