第36話

ものは言いようで

『友達いない』

んじゃなくて

孤高の存在を演じることでしか

休み時間を過ごせないんだ

居た堪れない

あたしの中身空っぽな具合も

周りのクラスメイトたちは見透かした上で


あたしが自ら構築した自演癖によって

『ひとり時間大好き』

そんなアユニ像にクラスのみんなは胡座かいちゃって

『アユニは友達とワイワイするよりも一人で黙々と読書したいタイプ』

ってクラスの総意だよ

あたしもそうなってるの察して


『パンドラの箱』の暗黙の了解の扱いに対して

『はぶかれてるわけじゃないですよ』

っていうね

みんながそうやって過ごせるように

あたし自らそう促すことで

周りも安心して過ごせるし

それがクラスのいつも通りの日常として

いつもの風景として


行動力皆無だし

人間関係ちょー不器用だし

中身空っぽだから

せめて周りの動向を観察して

クラスの皆さんが

あたしの存在を気にしなくていいように

気を使いまくってます


だから昼休みには

読書してる文学少女装って

あたしはひとりで本読むのが好きなんですって

自演して

クラスの皆さんがあたしに関わらなくていいように

『自演壁』をつくりあげてます

自らクラスメイトを突き放しています

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