第28話

クラスのみんなの楽しげな

学校生活の手のひらの上で

『ひっそりと暮らす』っていう舞を

オドオド踊らされ

その元凶は年相応のバイタリティや経験値の蓄積の足りなさなのに


あたしが勝手に周りに合わせられなくて

ひとりでオドオドの舞を踊り

自演の壁を造り上げて

コミュニケーションの通気性悪くして

一人で取り繕って

自分から声を掛けられない

掛けられても広げていけない

その孤独を

読んでるようなないような本を広げて

『ぼっちじゃないよ

あたしは読書が好きなの』

って鎧を身につけたのが始まりだシね


積極性の皆無なこと

そんな自分に不甲斐なさを感じながら

教室の温度下げないように

『クラスの日常』から

逸脱しないように

友達いないけど

読書好きなぶりっ子しなきゃ

休み時間いたたまれないよね


クラスのパンドラの箱だシね

あたしら『B面』は

ぼっちの現実を

誰かに話して相談してどうにかしてもらおうなんてしたら

余計に過ごしにくくなるシね

そんな自分のポジションはよくわかってるんだよ


あたしは

クラスにとっての『禁忌』キャラ扱いで

その緊張感にストレス溜め込みまくり

ひとりぼっちだっていう現実を

誰かに相談なんかして

波風立てたりしたら

学校生活余計に暮らしにくくなっちゃうことわかってるシね

自分のポジション悟って

『パンドラの箱』のようにそっと

誰からも触られないように

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