第2話 嫉妬

 人間の嫉妬はみっともない。

 

 それは、今でも思いますよ。

 

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 最近、空は旬のマンションに入り浸っていた。

 旬のマンション

 昼頃。

 女の子の喘ぎ声が聞こえる。

 旬の舎弟、亮二が女性と交わっていた。

 

「あんっ! ……あっ……あっ……」

 

 そこにマンションのインターホンが鳴る。ピンポーン ガチャッ

 

「はい?」

 

 亮二が玄関を開ける。

 

「おぅ! 空か。」

 

 空が入って来る。

 

「ちょっと待ってな。今ええ所なんや。」

 

 亮二は、行為を続けて居る。

 中には、もう1人、舎弟がいて、そいつも交わっている、白井。

 

「あぁ~ん!」

 

 女の声も聞こえて来る。

 

「よ、空。」

 

 白井が入ってきた、空に言う。

 

「なんだ? お前ら、昼間からやってんのかよ。」

 

 空は少し嫌そうな顔をする。

 

「うるせぇ! お前だって、俺らの横でやったことあるだろ?」

 

 白井は、行為を続けながら話す。

 

「ないけど。」

 

 空は、ソファーに座ってテレビをつける。

 いつものことの様に、

 買ってきたお菓子を広げていた。

 すると、風呂場からも何か声が聞こえてくる。

 

「……。」

 

 その声を聞いている空。

 そして、リビングに戻って来た、亮二。

 

「わりぃーわりぃ。さっきの子帰ったぞ。」

 

 亮二が話している最中にも、浴室からは女の喘ぐ声が聞こえている。

 

「あの子、何してんだ?」

 

 亮二が聞く。

 

「知らん。」

 

「旬?」

 

「多分そうだろうな。」

 

「それより、亮二、早くその汚いものを隠せ。」

 

 と空が慣れたように言う。

 

「おい! 空! 俺達の仲だろ? そんな事言わずに一緒にヤろうぜ。」

 

 亮二は下を脱いで近寄ってくる。

 

「いい加減にしろ!」

 

 亮二を殴る空。

 バコッ!!  殴られて吹っ飛ぶ亮二。

 

「うげっ!!」

 

 壁にぶつかる亮二。

 ドカッン!!!  浴室のドアが開く音。

 ガラガラッ!

 

「あ、兄貴!? 大丈夫ですか?」

 

 そこへ、風呂上がりの旬が出てくる。

 

「おう! どうした? 騒々しい。」

 

「いや、この2人が俺達の前でヤろうとしてきたんでね。」

 

 と空が答える。

 旬は、背中に龍が掘ってある。

 

「お前らも飽きねぇなぁ~」

 

 呆れた様に、タバコに火を付ける。

 

「ところで、今日は何しに来たんだ?」

 

 旬が聞いてくる。

 

「特に用はないんだけど、暇だったから来ただけだよ。」

 

「なら、ゆっくりしていけや。」

 

 風呂場から女が出てきて、旬のそばに行く。

 

「もう一回しょ、旬。」

 

「しょうがないなぁ~」

 

 また、行為を始める2人。

 それを見ていた空は、

 

「じゃあ、俺は帰るわ。」

 

 と立ち上がる。

 

「空、おれや。」

 

 空は座る。

 

「やっぱいいわ、お前帰れ、美雪。」

 

「えっ?」

 

 亮二が驚く。

 

「いや、帰らないわよ。」

 

 亮二が立ち上がり、美雪と言う女の子の方へ歩いて行く。

 

「ほら、早よ服着て。」

 

「もう、知らない!」

 

 服を着る美雪。

 

「じゃ、お邪魔しました、二度と呼ばないでね!」

 

 美雪は帰って行った。

 亮二と白井と交わっていた女性達も雰囲気を察して帰る支度をする。

 亮二と白井は、服を着て女子達を見送る。

 

「ごめんな、せっかく来てくれたのに。」

 

「気にしないで下さい、私達が勝手に来ただけですから。」

 

「じゃ、失礼します。」

 

 と、旬の部屋を出ていく女性達。

 それを見て、空は立ち上がった。

 

「雰囲気悪いよ、旬。」

 

「じゃあ、ないやん、空のせいや。」

 

「俺のせい?」

 

「そや。空が帰る言うから。」

 

 後ろから空を抱きしめる。

 

「帰る。」

 

「ダメや、まだ居れや。」

 

「嫌だ。」

 

「空~」

 

 空は、抵抗する

 

「離せ。」

 

「嫌や。」

 

「空、今日、俺すげ~機嫌悪いねん。」

 

 空は、旬の腕を振りほどく。

 旬が空を見ていう。

 

「俺に八つ当たりされても困るぞ。」

 

「いや、マジで、キレそう。」

 

「お前が、そんな事言うなんて珍しいな。」

 

「お前、相手しろや。」

 

「嫌だね。」

 

「空~」

 

「しつこいぞ!」

 

 と言い合いをしていた。

 

「空、また若の誘い断ってるんか?」

 

 白井が話しかけてきた。

 

「あぁ。」

 

「最近多いな、若は空の事好きやで。」

 

 亮二がまた話しかける。

 

「もう、付き合ってるみたいなもんやねんから、身体ぐらいいいやろ。」

 

「セフレとか嫌だ。」

 

「相変わらず、堅物やなぁ~」

 亮二が言う。

 

「空、ちょっとこっち来いよ。」

 

 空を手招きして空を呼ぶ。

 

「あ?」

 

 すると、いきなり殴りかかってきた。

 バコッ!!  殴られて吹っ飛ぶ空。

 

「うっ! てめぇ! 何しやがる!」

 

 殴られた頬を抑えながら立ち上がる空。

 

「あ? やんのか? コラ!」

 

「上等だ! ぶっ殺す!」

 

 と空は、旬の胸ぐらを掴む。

 

「おい! 空! やめろ! 旬に手を出すな!!」

 

 亮二が止める。

 

「うるせえなぁ~」

 

 と亮二を振りほどき、空を殴ろうとする旬。

 ドカッン!!!  空が旬の顔を思いっきり殴った。

 

「痛ったいなぁ……この野郎……あほ!」

 

 と旬が起き上がる

 

「あ? やり返してこいよ? オラァッ!」

 

 空は、旬に殴りかかる。

 ガシッ!  旬が空の拳を止める。

 

「あぁ!? 離せよ!?」

 

 旬が、空に馬乗りになる。

 

「優しい言うたってんのに。」

 

「どけや、カス。」

 

「おい! 止めろ! 空! 若! 喧嘩すんな!」亮二が叫ぶ。すると、旬が亮二の方を向いて言う。

 

 亮二は、ビクっとした。

 

「亮二、邪魔したら殺すで。」

 

「亮二、黙れ。」

 

 と空と旬が同時に言う。

 

「また始まった。」

 

 しかしいつもと違い、旬が空の顔に1発殴ると意識が飛んだ。

 

「旬、大丈夫か?」

 

 亮二が言う。

 

「全然、問題ねぇよ、気絶しただけだろ。」

 

 旬はそういい、

 空を引きずり、奥の部屋に連れて行く。

 

 旬に声を掛ける亮二。

 

「何するつもりですか? そっちの部屋、本命部屋でしよ?」

 

「お前ら、俺らのセックス見たいか?」

 

「いや、結構です。」と亮二と白井が言う。

 

 旬は、空を連れて、部屋に入る。

 


**************************


 

 空は、ベッドに寝かされる。

 

「空、起きろよ。」

 

 と、空を起こす。

 

「うっ……」

 目を覚ます空。

 

「ここどこだよ?」

 

「本命部屋。」

 

「は?」

 

「だから、ここは本命部屋。」

 

「なんで連れて来たんだよ?」

 

「空、今日機嫌悪いねん。」

 

「知らんわ。」

 

 と言うと、旬が空の服を脱がしていく。

 

「ちょっ、なにしてんだよ?」

 

「ヤらせろ。」

 

「嫌だね。」

 

「ヤらせてくれんかったら、殺す。」

 

「お前、女に刺されて死ね。」

 

「俺は、お前しか抱かんからな。」

 

「お前、気持ち悪いわ。」

 

「お前は、俺の女やからな。」

 

「は? いつから俺がお前の女になったんだよ?」

 

「ずっと前からや。」

 

「無理だ。」

 

「お前は俺に犯されてればいいねん。」

 

「ふざけんなよ、クソが。」

 

 空は、旬の金玉蹴りをしようとしたが、旬にとめられる。

「お前、誰の金玉蹴ろうとした?」

 

「は? 知るかよ。」

 

「お前、マジ、調子乗んなよ?」

 

 と、旬は、空の腕を掴み。

 

「いでででで!」

 

「お前さ、今度、俺にこんなことしたら、わかってるよな?」

 

 と、腕を握る力を強める。

 

「わかった! 悪かったから、離してくれよ。」

 

 と、空が言う。

 

「お仕置が必要やな。」

 

 と、旬は、空を押し倒す。

 

「はぁ!? ふざけんなよ! どけよ!」

 

 と抵抗する空。

 

「はいはい、大人しくしようね。」

 

「はぁ、はぁ、やめろよ! くそがぁ!!」

 

 と、空は、暴れるが、旬の力が強く振りほどけない。

 

「お前、ほんまムカつくな。」

 

 と、服を脱がし始める。

 

「やめろって言って。」

 

「黙っとれ。」

 

 と、空のズボンも脱がす。

 

 抵抗する空、キスすると抵抗するのをやめる空を思い出した。

 

「空、キスさせてくれたらやめてやるわ。」

 

「やだね。」

 

「お前、ホンマ生意気やなぁ~」

 

 と、空の唇に自分の唇を重ねる。

 

 そして、舌を絡める。

 

「やべぇなこれ、ハマりそう。」

 

 空の身体が反応する。

 

「あれ? 空くん、もしかして感じてるん?」

 

「うるせぇ! 誰が感じるか!」

 

「あかんやん。」

 

 と、空の乳首を摘む。

 

「あ、やめろ!」

 

 空は、必死に抵抗するが、力で勝てない。

 

「ほ~れ、空、ここ気持ちええやろ?」

 

 と、空の股間を触る。

 

「やめろ! 変態野郎!」

 

「空、お前が俺に逆らうのが悪いねん。」

 

 空は外にいる舎弟を呼ぶ。

 

「亮二! 白井! 助けろよ!」

 

「無理だな。旬さんに殺される。」

 

「俺も同じく。」

 

 空は言う。

 

「旬! お前たち覚えてろよ!」

 

「おとなしいせい。」

 

 と、空の耳を噛む。

 

「あぁ! 痛ったいなぁ!」

 

「空、俺は、お前が欲しいんよ」

 

「あぁ、旬、止めてくれ。」

 

「空、俺のものになれや。」

 

 と、空のケツの穴に指を入れる。

 

「あ!? やめろ!」

 

 と、空が言う。

 

 空のアナルの中に指を入れてかき回す。

 

「ああ! やめろぉ!」

 

「空、エロすぎだろ。」

 

 と、空のお尻を叩く。

 

「いてっ!」

 

「空ちゃん、可愛いねぇ。」

 

「空、もっといじめて欲しいのか? このドMが。」

 

「旬、許してくれよ。頼むから。」

 

「お前、まだ立場わかってないみたいやな。」

 

「あぁ、くそがぁ!」

 

 と、空は、抵抗するが、力が入らない。

 

「空、お前は俺の女や。」

 

 と、旬は自分のチンコを出す。

 

「お前のよりデカイな。」

 

 と、旬が言う。

 

「当たり前だろ、自慢か?」

 

 と、空は言い返す。

 

「空、お前にはこれで十分やろ。」

 

 と、空の顔に近づける。

 

「舐めろや。」

 

 と、空の口にチンコを突っ込む。

 

「んぐぅ!」

 

「空、歯立てるなよ?」

 

「んんんんんんん!!」

 

 と、

「空、動くぞ?」

 

 と、旬は腰を振る。

 

「んんんん!!!」

 

 と、旬は

 

「空、出すで。」

 

 と、空の口の中で射精した。

 

「空、飲んでや。」

 

「ふざ……けんな……」

 

 と、空は飲み込んだ。

 

「ちゃんと飲めたか? おぉ、偉いやんけ。」

 と、頭を撫でる。

 

「空、お前が反抗的な態度取るから悪いんやで。」

 

 と、空の顔に残りの精液をかける。

 

「くそがぁ!」

 

 と、空は叫ぶ。

 

「空、まだまだ終わらんで。」

 

 と、旬は言う。

 

「もう許してくれよ。」

 

 と、泣きながら言う空。

 

「はぁ? 何言ってんねん? これからが本番やろ?」

 

 と、空の足を広げる。

 

「やめろ! それだけは勘弁して下さい。」

 

 と、土下座する空。

 

「お前が逆らうからやろ?」

 

 と、空のケツに自分のモノをあてがう。

 

「やめろ! お願いします! やめて下さい!!」

 

 と、抵抗する空だが、力が出ない。

 

「空、力抜けよ。」

 

 と、空のケツの中に入る。

 

「あぁぁ!! 痛いぃ!」

 

 と、涙を流す空。

 

 空の処女を奪ったのだ。

 

 旬は言う。

「空、気持ちええやろ?」

 

「うるせぇ! くそ野郎!」と、言う空。

 

 空のケツに出し入れする。

 

 その度に、空は声を上げる。

「あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ! あ!」

 

「空、お前の声エロいなぁ~」

 

「うるせぇ! 死ね! この変態野郎!」

 

「空、お前最高やわ。」

 

「ふざけんな! 誰がてめえなんかに!」

 

「ほれほれ、空、もっと鳴いてみ?」

 

「あ! あん! ああ! あっ! うっ! はぁ!」

 

「空、気持ちいいか?」

 と、旬は言う。

 

 空は答える。

「あぁ、きもちわりーよ!」

 

 と、言った瞬間、旬の腰の動きが早くなる。

 

 空は、必死に抵抗する。

 

 しかし、身体が思うように動かない。

 

 旬は、空にキスをする。

 

「んん!」

 と、口を塞がれているため喋れない。

 

「空、俺の彼女になれよ。」

 

「あぁ、嫌だ! てめーみたいな変態の彼女とか無理!」

 

 と、言う空。

 

「じゃあ、無理やりでもお前を犯す。」

 

 と、旬は言う。

 

 空は答える。

 

「俺は、お前の事嫌いだよ!」

 

「そうか、残念やなぁ……」

 

 と、言い、激しく動く。

 

 そして、空の中に射精した。

 

 その後、空は気絶していた。

 

 空の身体中に精液がついていた。

 

 旬は言う。

 

「空、お前は俺のものや。」

 

 と、空のアナルからチンコを抜くと、血が出てきた。

 それを旬は見て笑う。

 

「空、お前は、一生俺の女や。」

 

 と、空の耳元で言う。

 

 **************************

 

 亮二がドアがノックし、電話を持ってきて、旬は部屋をでる。

 

「空、起きてるかい?」

 

 と、聞く。

 

「生きてるよ……。」

 と、空は言う。

 

「大丈夫?」

 と、心配する亮二。

 

 空は言う。

「何とか……。」

 空はベッドから起き上がり、下だけ脱がされたので、制服を履く。

 

 空は、鏡を見て、自分の顔を見る。

 

 目の周りが赤く腫れてた。

 

 唇には血が出ていて、歯形も付いていた。

 

 胸には、赤い跡と青いあざがあった。

 空は思った。

 

(俺……どうなってしまうんだろう?)

 

 と、思う空だった。

 

 部屋を出る、ぬるっとした感覚がおしりに感じる。

 

 お尻から精液が垂れてくるのが、わかった。

 

 ズボンの裾から精液と血液が混ざった液体が流れてきた。

 

 空は、急いで旬のマンションから出る。

 

 亮二が止めるも、無視して走った。

 

 家に着き、空はシャワーを浴びようとする。

 

 服を脱ぐと、胸の所が青くなっていた。

 

 乳首が少し痛い気がする。

 

 シャワーで洗い流そうとすると、アナルから血と白い精液が出てくる。

 

 空は、泣きながら身体中洗う。

 

 髪についた匂いや、身体に着いた匂いを落とすためにシャンプーやリンスをした。

 

 風呂場から出て、着替えようとした時、下腹部に痛みを感じる。

 

 空は、慌ててトイレに行く。

 

 すると、出血しているのがわかる。

 

 空は、由美子さんに報告する。

 

 空は、リビングに行き、由美子に話す。

 

「あのさ、ちょっといいかな?」

 

 と、空は言う。

 

「何?」

 

 と、由美子は言う。

 

「生理が来たみたい……。」

 

「あら? そうなの?」

 

 と、驚く由美子。

 

「うん。」

 

「良かったじゃない。」

 

 空、由美子に抱きつく。

 

「明日、産婦人科行きましょう。」

 

「ありがとう。」

 

 と、言う空。

 

 次の日、空は病院に診察してもらうため、学校を休んで行く事に。

 

 産婦人科で検査して貰うと、子宮ができていることがわかったのと、肛門に傷がある事が発覚した。

 

 その日から、空は身体が不安定な為、入院することになった。

 

 入院後、スマホの電源を切っているのを忘れていた。旬から何百回も電話があった。

 

 メールには謝罪と留守電にはも謝罪。

 

 内容は、空を犯してしまったことに対するものだった。

 

 空は、そのメッセージを聞いている内に涙が出た。

 そして、空は旬にメッセージを返す。

 

 〈空です。〉と、空が打つとすぐに返信が来る。

 

 〈空! ごめんなさい! 〉 と、返事がくる。

 

 〈許さないよ! 絶対に! 〉 と、送る。

 

 また、返信がきた。

 

 〈ほんまに申し訳ない! 反省してます! だから、別れんといて! 〉 と、送られてきた。

 

 〈そもそも付き合ってないけどね。〉 と、空は送った。

 

 しばらく、やり取りが続き、最終的には、旬が空の所に謝りに来ることになった。

 

 空は、旬を許すことにした。

 

 空は、旬に会いたいと言うと、旬はすぐに来た。

 

 旬は花束を持ってきた。旬は言う。

 

「これ、見舞い、入院してたんか。」

 

「うん。」

 

「ほんまに、すまんかった! あんなことして……」

 

「別に気にしないよ。あれが原因じゃないし。」

 

「えっ? じゃあなんで入院したんや?」

 

「それは……」と、空は言いずらそうにする。

 

「あっ、言いたくないなら言わんくてもいいよ!」

 

「いや、言うよ。」

 

「無理せんでも大丈夫やから!」

 

「いや、言う。」

 

 と、言い、空は旬に話す。

 

「実は……生理になったんだよね。」

 

「せーり……ってことは……妊娠!?」

 

「違うわ!」

 

「そっかー。」

 

「俺、女の子になってるんだよ。」

 

「えぇーーーーーー!!!!!」

 

 と、驚く旬。

 

「お前、女やったん?」

 

「両性……。」

 

「まじかぁー……。」

 

 と、落ち込む旬。

 

 その後、2人は他愛のない話をしていた。

 

 すると、由美子がそこに来る。

 

「空君、調子どう?」

 

「うん、大丈夫だよ。」

 

「良かった。」

 

「由美子さん、わざわざ来てもらってありがとうございます。」

 

「いいのよ。私も空君のお母さんみたいなものだもの。」

 

「なんかすいません。」

 

「いいの、いいの。」

 

 由美子は旬を見る。

 

「あなたが、なんでここにいるの?」

 

 と、由美子は聞く。

 

「いや、空が心配で。」

 

 と、旬は答える。

 

「そう……空君はもう病室に戻って。これから、旬君と大事な用事があるから。」

 

 と、由美子に言われ、空は部屋に戻る。

 

 空が病室に戻ると、由美子は旬を睨む。

 

「あんた、何やってるのよ。」

 

 と、怒り口調で言う。

 

「いや、見舞いやけど。」

 

 と、焦る旬。

 

「そんな事はわかってるのよ。何でこんなところに来たのか聞いてるのよ。」

 

 と、怒る由美子。

 

「それは……空が心配で……。」

 

 と、答えに困っている旬。

 

「空君に何かあったら、ただじゃ済まないからね。」

 と、由美子に言われると、

 

「もう、なんかあった後やねんけど。」と、ぼやく。

 

「まさか、だから生理に。」

 

「アナルSEXしただけやて。」

 

 と、旬は言う。

 

「このクズ野郎!」

 と、

「はい、すみませんでした……。」

 

 と、しゅんとする旬。

 

「わかったならいいわ。早く出て行って。」

 

「はい……。」

 

 旬は、病院を後にする。

 

 由美子は、空に近づき頭を撫でながら、旬とは会わないように言う。

 

 それから、数日が経ち、空は退院する。

 

 空が家に帰ると、由美子と匠が待っていた。

 

 空は、匠と由美子にお礼を言う。

 

「匠、由美子さん、色々ありがとうございました。」

 と、頭を下げる空。

 

 匠は空の

「気にすんなよ。」

 

 と、言う。

「空君、おかえりなさい。」

「空、おかえり。」

 と、微笑 と、それぞれ空を迎える。

 

 [newpage]

 

 旬とは改めて話し合う事になった。

 

 空は、旬との話し合いをする為に、旬の家に行く。

 

 チャイムを鳴らすと、旬が出てきた。

 

 空は、旬の部屋に入る。

 

 空は、旬に今までの事を話す。

 

 空が女の子になってしまった事、男の子に戻れない事、そして、旬の事が好きという事など全て話す。

 空の話を聞き終えた旬は、空を抱き締めて、泣き始める。

 

「ほんまごめん! ほんまごめん! ほんまごめん! 俺のせいで! 俺のせいで! ほんまごめん! ほんまごめん! ほんまごめん! ほんまごめん! ほんまごめ……」

 と、ずっと謝り続ける。

 

 空は、旬に抱きつき返す。

 

「ううん、気にしないで。」

 

「ほんまか? 許してくれるんか?」

 

「うん。」

 

「ありがとぉー。」

 

 と、泣く旬。

 

「もう泣かないでよ、男だろうが。」

 

 と、旬の涙を拭く空。

 

「でも、俺は空を傷付けた。」

 

「うん。」

 

「それでも、空は俺を許してくれるん?」

 

「もちろん、で、なんであの日、機嫌悪かったんだよ?」

 

「それは……空が匠と話してるから嫉妬しただけやねん。」

 

「そうなんだ、旬は女の子とやってたよね、堂々。」

 

「それは……ついムラっときて……」

 

「ふーん。」

 

 と、ジト目で見る空。

 

「ほんますいません!」

 

 と、土下座して謝る旬。

 

「僕が嫉妬しないと思った?」

 

「えっ?」

 

「僕だって、男なんだからね!」

 

 と、怒る空。

 

「だって、やろう言うても、事情知らんかったから。」

 

「確かにそうだけどさ。」

 

 と、拗ねる空。

 

「ごめんなぁ。」

 と、空の頭を撫でてあやす旬。

 

「強引はよくない……。」と、空は旬の胸に飛び込む。

 

「そやなぁ。」

 と、旬は空の頭を撫でながら言う。

 

「僕を1番で、浮気しないなら付き合ってあげてもいいかな。」と、照れながら言う空。

 

「ほんまに?」

 

「うん」

 

「やったぜ!」

 と、喜ぶ旬。

 

「その代わり、いっぱいデートしてください。あと、僕のことちゃんと見て下さい。」と、空はお願いする。

 

「わかった。約束する。」

 

「それと……キスもして欲しいです……。」と、顔を真っ赤にして言う空。

 

「そんなんでいいんか?」

 

「いいの……嫌だったら言ってください。」

 

「全然いやじゃないよ。」

 

 と、旬は空にキスをする。

 

 2人は見つめ合い、もう一度キスをした。

 

「これからよろしくね。」

 

「こちらこそ。」

 と、お互い言い合う2人。

 

 こうして、空は旬と付き合い始めた。

 

 唐突に空が言う。

 

「由美子さんと寝たでしょ。」

 

「はいっ!?」

 

 と、驚く旬。

 

「やっぱりね……。」

 

 と、落ち込んでいる空。

 

「ちょっと待ってや! 何で知ってるんや!」

 

 目を細めて旬を見る空。

 

「うぐぅ……。」

 と、何も言えずに黙ってしまう旬。

 

「由美子さんとは、不倫してるの?」と、空が聞くと、

「ちゃうわ! 由美子さんとは、ただのセフレや。」

 

「セフレ……」

 

「あっ……」

 

 と、口を抑える旬。

 

「へぇー。」

 

 と、ジト目で旬を見つめる空。

 

「すまん……」

 

 と、謝る旬。

 

「別にいいよ。」

 

 と、空は言う。

 

「由美子とは、取引やかや。」

 

「取引?」

 

「俺の仕事、色々あるんよ、だから今後、セフレはやめる。」

 

「ふーん。」

 

 と、納得していない様子の空。

 

「空が一番やから。」

 と、空に抱きつく旬。

 

「うん。」

 と、微笑む空。

 

「絶倫な旬はセフレがいなくても大丈夫?」

 

「はっ? なんで? 知ってんねん。」

 

 と、聞き返す旬。

 

「亮二と白井に。」と、言う空。

 

「あいつらぁ!」

 

 と、怒る旬。

 

「なんで、教えてくれなかったの!」

 

 と、空は怒ったように聞く。

 

「いや、聞かれへんやん。」

 

「そうだけど……。」

 

「それに、俺が空以外の女に手を出したわけやないからな。」

 

「そうなんだけど……」

 

 と、空はモヤモヤしていた。

 

「あー、もう! 俺は空しか興味無いから安心せーや!」

 

 と、旬は空を抱きしめる。

 

「うん。」

 と、嬉しそうな空。

 

「空は俺の事嫌いになったんか?」

 と、心配する旬。

 

「ならないよ。」

 と、笑顔で言う空。

 

「良かったぁ。」

 と、安堵する旬。

 

「じゃあさ、僕にもキスマーク付けてよ。」

 

 と、空は自分の首筋を見せる。

 

「えっ?」

 

 と、固まる旬。

 

「ダメ?」

 と、上目遣いで旬に聞く空。

 

「いや、そういう訳やなくて……ええんか? 痛いで?」

 

「いいよ。」

 

「わかった。」

 

 と、空の首筋にキスをして、強く吸う旬。

 

「うっ……」

 

 と、痛みに耐えている空。

 

「ついたで。」

 

 と、キスマークをつけるのをやめる旬。

 

「ありがとう。」

 と、お礼を言う空。

 

「どういたしまして。」

 と、返事をする旬。

 

「ねぇ、僕も旬につけたいな。いつもキスマーク付けてる旬に嫉妬してたんだ。」と、不満げに言う空。

 

「ははは。ごめんなぁ。」

 

 と、笑う旬。

 

「今度からは、僕がつけるからね。」

 

 と、言う空。

 

「おう。」

 

 と、答える旬。

 

 その後、空が旬にキスマークを付けた。

 

 次の日、空が教室に入ると、クラスメイト達がざわついていた。何事かと思い、空は周りを見た。

 

 すると、空の机の上に落書きされていた。

 

 〈ビッチ〉

 

  〈淫乱〉

 

  〈男好き〉

 

 と、書かれていた。

 

 空は、その言葉を見て旬のセフレがやったなと確信した。

 

 そこに斑鳩がやってくる。

 

 空は、すぐに席についた。

 

 空の前の生徒が斑鳩に挨拶をする。

 

 そして、空の方を見ながら言う。

 

「空ちゃんおはよう、入院してたんやってな。」

 

「うん。」

 

「元気になってよかったわ。」

 

「ありがと。」

 

「てか、机すごいな。」

 

「はじめてだわ、こんなリアルな落書き。」

 

「ほんまやな。」

 

 と、会話をしていると、担任の先生が入ってきた。

 

 クラスは静まり返り授業が始まった。

 

 1時間目は数学だった。

 

 昼休みになり、空がはスマホを見る。

 

 そこには、旬からのメッセージが届いていた。

 

 〈今日は学校に来るん? 〉

 

 〈行くよ。〉

 

  〈分かった。待っとるわ。〉 と、返信が来る。

 

 空は、弁当を持って屋上に向かった。

 

 空が屋上に行くと、旬が先に待っていた。

 

 空は旬の隣に行き、座った。

 

 旬は、コンビニで買ってきたパンを食べ始める。

 

 空は、持ってきた弁当を食べる。

 

「さっきら机に落書きがあったよ。」

 

「やっぱり、あのクソ女の仕業か……。」

 

 と、舌打ちをしながら言う旬。

 

「なんか、変なことされてへんか?」

 

 と、聞く旬。

 

「大丈夫だよ。」

 

「そっか。」

 

「それより、空は大丈夫なんか?」

 

「僕は大丈夫だよ。」

 

「そうか……。」

 

 そこに、斑鳩と海斗がやってくる。

 

「空君、久しぶりやな。」

 

 と、海斗が話しかける。

 

「うん。」

 

「退院したばっかりなのに、災難やな。」

 

 と、心配する海斗。

 

「大丈夫。」

 

「何かあったら、言ってね。力になるから!」

 

 と、言う斑鳩。

 

「ありがとう。」

 

 斑鳩と海斗とは、旬と空の雰囲気が違う事に気がついた。

 

「なんか、雰囲気違うくない?」

 

「あー、俺らも付き合う事になったんよ。」

 

 と、空が弁当を食べながら淡々と言う。

 

「えー! まじで! いつから?」

 

 と、驚く斑鳩。

 

 旬は、頭をかきながら。

 

「その節は、すまんかった。」

 

「いや、全然いいけど……。空君いいの?」

 

「うん。」

 

 と、言い弁当を完食する空。

 

 すると、旬が空にキスをする。

 

 それを見ていた斑鳩と海斗は固まった。

 

 旬が唇を離すと、空の顔は真っ赤になっていた。

 

 斑鳩と海斗は驚いている。

 

 そして、2人は同時に言った。

 

 《リア充爆発しろ!!! 》

 

 その後、斑鳩と海斗にからかわれた旬と空であった。

 

 放課後、斑鳩と海斗に冷やかされた旬と空は、帰り道が同じなので一緒に帰っていた。

 

「空、やっぱりやりたい。」

 

「えっ? 何を?」

 

「わかってるやろ?」

 

「明日、旬のマンション行くから。」

 

「約束やで。」と、笑顔で言う旬。

 

 空も笑顔で答える。

 

 二人は、手を繋いで家に帰るのであった。

 

 次の日、空は旬の家のインターホンを押した。

 

 これが、旬の嫉妬した話。

 

 空が嫉妬した話だ。

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