自己肯定感を取り戻す50の言葉

神砂アリサ

【発達障がいと格闘して】

私はADHDとASDとHSPで、発達障がいを抱えながら生きています。


HSPは「High Sensitive Person」の略で、感受性が細やかなために人の言葉や出来事について過度に考えてしまう人のことです。ADHDとASDというのは「自閉症スペクトラム」の一つです。


自閉症スペクトラムには沢山の特徴があります。私に当てはまる特徴は「注意散漫(目に入ったものに次々と意識が移る)」「衝動性(突然の思い付きで家出したり死のうとしたり)」「コミュニケーションが苦手(目をみて話せない・知らない人と話すのが怖い)」「強いこだわりを持つ(信念や思考回路に対するこだわり)」「他人の感情を汲み取ることができない(相手が怒ってるのか悲しいのか、冗談を言っているのか本心なのか判断できない)」など。


自分が発達障がいだと知ったのは高校2年生の夏。食中毒がきっかけの精神不調で不登校になり、精神科に行った時に診断されました。


昔から他の人に合わせることができませんでした。


公立の小学校では、授業中に活発に発言していたら「○○さんは発言1日3回までね」と言われ酷くショックを受けました。また、自分にとっては授業の進度が遅すぎました。それが原因で円形脱毛症と不思議の国のアリス症候群になり、私立の小学校に転校しました。


その小学校はIQが140以上の子供しか受け入れておらず、私は好きなように発言して勉強し、ストレスを感じることもなく楽しい学校生活を送りました。今思えば、その学校の生徒たちはほとんどが発達障がいを抱えていたと思います。


そして私は高校2年の夏、不登校になりました。

原因は様々ですが、一つに「周囲の生徒と自分の違いに気づいてしまった」ことがあります。


みんなは、学年集会の時に辛くなって逃げ出したりしない。みんなは、でしゃばって1人でグループの仕事をこなしたりしない。


考えれば考えるほど、「自分はおかしいんだ」と思うようになりました。


それと同時に私は「自己肯定感」を失いました。

低下したのではなく、「ゼロ」になりました。


ASDの特徴でもある「強いこだわり」によって、私は自分で自分を苦しめました。


「自分には生きる価値なんてない」

「自分が死んでも世界は変わらない」

「こんなに他人に迷惑をかけるなら死んだほうがましだ」


そんな風に思考を固定していきました。


そうして、私は自分の価値を見失いました。


「強いこだわり」のせいで、どんなに周囲の人たちが私の生を願ってくれていてもそれに納得することができなくなりました。


だから、備忘録を作ることにしました。


大切なことを忘れないように。

自分の価値を思い出せるように。


これは、私の周りの人たちが私にかけてくれた言葉たちです。


どこかの生に苦しむ人たちにも届きますように。

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