【意味怖】不動産

ある不動産屋の中では、常務と社長が主導権争いをしていた。




時代の流れか、不動産の売買は停滞化し、本当に動かなくなってきている。


負動産とはよく言ったものだ。




昨日も運営の仕方で口汚くお互いを罵りあっていた。


社長は自分の息子に会社を託したいが、常務は次の社長は自分だと思っている。


ここまで会社を大きくしたのは自分だと。






そして今日、社内では常務が褒めたたえられていた。


先月常務が会社の命運をかけて購入した都内の一等地に


買い付けが入ったのだ。






この土地が売れれば俺の立場は強固な物になる。


次の社長は俺だ。社長のスキャンダルも握っているしな。


次の一手は・・・






常務はニヤニヤしていたが


その夜一件の電話が入ると顔を青くして家の外へと飛び出した。


そして、その数時間後、自分の仕入れた一等地の目の前で


社長殺しの罪で現行犯逮捕された。

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