【意味怖】親子

その日は、雨がザーザー降る夜だった。


タバコが切れたから、近くのコンビニに煙草を買いに行ったんだ。


すると、直線の道で


傘もささずに走る女が目の前をそのまま通り過ぎて行った。




こんな雨の中どうしたんだろ。


交差点を右に曲がった。


その時、今度は小さな子供が俺にぶつかってきた。






「は・・・母を、髪の長い女性を見ませんでしたか」






雨も強くなってきた所、説明をするのも面倒だったので


あっちのほうに走っていった女の話をすると


ぺこりと頭を下げて走っていった。






いったいなんなんだ今日は、厄日だなと思い


コンビニに入りタバコを買ってコンビニを出ると


今度は傘を差した女に声をかけられた。






「子供を・・・見ませんでしたか」






ん?この女が母親だったのか?


確かに髪も長いな。


とすると最初にぶつかってきた女は誰だ?








帰宅して家に着くと、玄関で滑り


尻もちをついた。


ものすごく痛かったし、ジーパンはびしょびしょにぬれて


しまったので、ぬいだ。


ジーパンに心なしか血も滲んでいる。






「今日は厄日だ」


そう言って一服煙草を吸うと眠りについた。






翌日、近所の家で父・母・子の3人世帯の家で殺人事件があり


父親・子供は殺され、母親は行方不明だというニュースが流れた。


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