【意味怖恐】心霊現象

わわわ、わたしはパリピだから、心霊現象なんて向こうから逃げて行くのよ。


この子、急に何を言い出すの?笑


とある有名私立女子校に通う神和怜(かんなぎれい)は

昔から恐ろしい体験をする事が多かった。


家の高級マンションでは

エレベーターに乗ると自分しか乗っていないのに

他の階のボタンが点灯したり


(これは静電気よ・・・!私帯電体質だから、よく精密機械が故障するのよ)


自転車に乗ってるのに、何故かついてくる足音が聞こえたり


(これはドップラー効果ね、幻聴の一種よ、気にすることはないわ)


全て化学や物理で納得するために猛勉強をし

楽々と難関高を突破し、この春から高校に通っている。


ひ・・・一人暮らしをするのが怖いわけじゃないのよ!?


マンション35階の自宅に帰宅するとそう呟く。


れ、霊なんてゼロよ〜!

オーレイ〜!

なんちゃって〜


部屋に入ると換気扇をつけ空気を入れ替える。


ふと、奥の窓に視線を向けると

指紋が見えるほどの手のひらの跡がべっとり大量に付着していた。



も・・・もう、これはお母さんかしら。

私がこういうの嫌いだって知ってて・・・

いたずら好きなのよね・・・



急いで窓を拭くためのタオルを持って

窓を何度も何度も拭いた。

しばらく拭き続けているうちに、怜の目から一筋の涙が溢れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る