ネコのキマグレ!!〜役立たずな魔獣と契約した俺の復讐とその結末〜

わははのは//

プロローグ 前編

 暑い。なんだか外が騒がしい。外の様子が気になって、フーリは外に出た。

       

        村が燃えていた。


 フーリは夢だと思いたかった。

「フーリ、早く逃げろ!!!」

 フーリの父親、フートだ。でもおかしい。なんで呼びにこなかったのだろう。こんな大変なことになってるのに。

「村長はキミだよね」

 翼が生えた少年が空から、燃える村を見下ろしていた。

「ああ、そうだ」

 フートは足の裏から風を出し、空に舞い上がった。

「お前が俺たちの仇ってことでよろしいか?」

「ぼくはねえ、調子に乗ってる風の民を粛清しにきただけだよ。悪く思わないでね。地球のためだから」

神嵐ゴッドストーム!!!」

 フートの体からとんでもなく強い風が巻き起こった。

「いい風だあ!キャハッ!!これぐらい余裕だよね?!堕天アンダースタンド

 フートは地面に叩きつけられた。その瞬間地面が割れた。フートは自分の死を悟った。

 フーリが飛び上がった。

「死ねええええええ!!!!!!!」

      

       お前だけは生きろ。


 フーリは謎の風に吹き飛ばされた。フーリのピアスから、光が消えた。

「これで死んじゃうんだあ。人間って脆いなあ」

「《堕天使》様、一人行方不明ですが捜索しますか?」

 部下の鴉天狗からすてんぐが来た。

「ガキ一人ぐらいほっとこう。さ、早く《魔王》様に報告に行こう♪」

「御意」

「もっと戦いたかったなあ」

《堕天使》達は飛んで行った。

 辺りは何もない荒野が広がっていた。



「ねえ、死んだ?はい、死んだ人手あげてーーー…生きてるじゃん」

 なんか顔をぷにぷにされている。俺が生きてるわけない。ここは天国か?…

 フーリは勢いよく起き上がった。

「お、やっと起きた。無視しちゃってえ」

「…ネコが喋ってる…魔獣か」

「私の名前はアサ。見ての通りネコの魔獣」

「あっそう。じゃあな。俺にはやることがたくさんあるんだ。いい人に拾ってもらえよ」

「ちょっと待ったあ!」

 めんどくさいネコだ。

「あんたの記憶を見たわ。村を滅ぼしたやつに復讐したいんでしょ?要は」

 いちいち気に障る。村を滅ぼされた少年にかける言葉じゃないだろ。

「ああ。今すぐにぶっ殺してやりてえ」

「今のあんたじゃ《堕天使》なんか足元にも及ばないでしょ」

「これから強くなる」

「私と契約しない?」

 こんなうまい話があるわけない。でもフーリは冷静じゃなかった。

「強くなるためならしゃーない」

 この世界では人間と魔獣が契約を結ぶ。

「お前を飼うよ」

 その瞬間アサの前足とフーリの右腕が光の鎖でつながった。なんだか、全部うまくいく気がした。

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