チートNPCの生存本能第一検定

蟹戦艦G

無駄にスペースが広いのは上司の顔だけにして欲しい

爽やかな風。

草木の、土臭い匂い。

さっきまで自室で寝ていたボクは、己の瞳を瞬いた。


其処は、誰も立ち入らせたくないオタ部屋でなく。

ひたすらに果ての見えない草原だった。



「いや、草原だからって広く場所を使えば良いわけではないからね?」



ゲーム世界に来て早々に突っ込む。

看板がある、見てみよう。



【この先、ドラゴン出ますので気をつけて!】



とある。


「ご丁寧に、誰かが書いてくれたんだなぁ」



ドラゴンを見たい気持ちはあるが、さすがに丸腰だとヤバい。

出来るなら、パーティー組んでヒーラー入れて相対したいな。



ドラゴンの出る道は、避けて通る。








「草原、長すぎ!誰だよ地道に田植え張りの、雑草生やしたの!」



と、愚痴に近い文句を言いながら進む。

かれこれ二時間は経っているが、先は長いみたいだ。


「うわー、まだ草原出れてないんですか!普通にドン引きです」



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