料理人の俺が異世界転生して、モフモフ猫族のにゃんにゃん国王様に溺愛される話

ねねこ

第1話 何てこった

俺は、宮本悠。20代半ばの日本料理人だ。高校を卒業し修行させて貰いながら、今はこじんまりしているが、知る人ぞ知る名店で働かせて貰っている。料理をするのは幼少期からしていたので、イタリア料理から中華料理まで一応何でも作れる。ちなみに得意料理は、煮込み料理だ!特に魚!俺の作るホロホロの金目鯛の煮付けはリパピーターも多く、少しだけだが自信もある。

まあでも、そんな事は今はどうでも良い。


「おい、おい、おい、おい、なんだよこれはーーーーーー!!!!ってか寒ぃーーーーー!!!」


見渡すばかり一面、氷の世界。しかも、俺がテレビで見た事のある様な殺風景な感じではない。水色の氷は勿論の事ながら、ピンクに黄色、紫など大中小様々な氷が、俺の目の前には広がっている。あろう事か、宙に浮いているものまである。


「綺麗だ…」


俺は、思わずふと呟いていた。


ーけど、何なんだこれは…夢ー!?それとも地球上に、こんな場所が存在していたのか!?いやいやそんなはずはない…

そもそも俺は魚を仕入れに、近場の魚市場に歩いて向かっていたのだ。それでー…

あれ、思い出そうにも、そこから先の記憶がどうしても思い出せれない。ってかヤバい、寒さで頭もボーッとしてくる。なんだか眠たくて堪らない…。あれ、これ、ヤバい感じ?何処かも解らない場所で死ぬのか俺…。


ツルンー


俺はついに立っているのも難しくなり、ツルツル滑る氷の上でバランスを崩した。あ、床に頭がぶつかるヤバいーと思い、死を覚悟した瞬間ー



ボフッ


何か大きくてモフモフしたものが目の前に立ちはだかる。気持ち良くて、暖かいーそれに草原の良い匂いがする。

あ、もう駄目だ、瞼が開かないー

俺は安心したかの様に、その暖かくてモフモフしたものに身を委ねると、意識を手放した。

「スースー、ふふっ、モフモフ~~~、スースー」


「…何んだコイツ。…魚の美味そうな匂いがするな」


「アレン様ー!アレン様ー!何処にいらっしやいますかー…って!あ!ここにいらしたのですね!…全く返事して下さいよー。って、誰ですかそいつ!?アレン様に近づくなんて命知らずな!…それにしても、こいつ魚の美味そうな匂いがプンプンしますね。まさか魚泥棒じゃないでしょうね!?だとしたら重罪ですよ!!」


「…どうやら体調が良くないらしい。顔も赤いし、体も冷たいし、うわ言も言っている。…城に連れて帰るから、ロレイン手当てしてやってくれ」


「ええええええ!!!!連れて帰るんですか!?アレン様らしくないですよ。そんな何処の骨とも解らない様なやつ、捨ててしまえば良いんですよ!!」


「……連れて帰る。手当てしろ。ロレインは良い医者だろ?」


「…分かりましたよ。アレン様がそこまで言うのなら…。アレン様の頼みだから、するんですからねー」


「ふっ、ありがとうな」


「~~~~っ、イケメンはずるいですね!!!」


かくして、主人公宮本悠はアレンにお姫様抱っこをされ、て城に足を踏み入れた。アレンが収める国の城だ。


国の名はズバリ、にゃんにゃん王国である!!

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