日常の小ネタ~きっとあなたのそばでも~
星野レンタロウ
第1話 海
ということで、母さんと海にやってきた。
すきとおった青海原は陽の光をうけてきらめいている。
これにより一秒でもひゃく泳ぎたいスイッチがはいり、僕はズボンをおろした。
なにも心配はない。かねてから海水パンツをはいていたのだ、
「母さんもういいでしょ?」
「はーい、いってらっしゃい。」
うわっ、あついなー砂。
ねつをたくわえたイエローな砂をのりこえようやく波内際についた。
あ、思ったより冷たい。
あわだつ浅瀬にじょじょにあしをつからせてゆく。
次第冷たさにも慣れて頭の先までもぐらせた。
せおよぎ、ひらおよぎ、クロール。
おもうぞんぶん泳ぐ。
そうこうしている内にすでに結構深い所まで来ていた。
もぐってゴーグルでのぞくと、僕は感動した。
細長い奴や平べったいやつや平べったい青い魚が珊瑚の所にうじゃうじゃいたのだ。
だがその時、ふがっと口に入ってきた水をのんでしまった。
しょっぱいのとびっくりしたのがごっちゃになって、何が起きたのか知らんけど、急にこわくなった。
今度入るときは絶対うきわ持ってこようと思いながら、全速力のクロールでおきをめざした。
先ほどと違ってあたたかい砂をふみこえて、母さん達がいるシートにつく。
「およいだねー。」
「うん、めっちゃきれいな魚とかいっぱいいたよ。」
のんびり話をしながら母さんのにぎってきたおにぎり、売店のポテト、たこ焼き、焼きそばをほおばる。
少し疲れた体で、なおかつこういう所で食べるこういう物は不思議とうまいものである。
さざめく波の音。
なまあたたかい風。
まわりをみわたせば、わずかながらであるが人がまばらに散らばっている。
よかった。僕はあまり人の多いとこで泳ぎたくないのだ。
そんな事を考えながら気付くと完食していた。
再びゴーグルを装着して雄大な碧海へと駆け出した!
あ。
「忘れてた母さん、浮き輪レンタルしたいんやけど…。」
「あー、じゃあかりといでお金渡すから。」
―「えーとあの、浮き輪をレンタル…」
「はーい、500円ねー。」
わりと大きいピンクの浮き輪をゲットしテンション上がりながら青い海をめざす。
今度は勢いよくザバァァとダイブした。
さっそく浮き輪をかぶって海に揺られていく。
「あ~、やっぱり海はいいなぁー。」
どれくらいただよっていただろうか。
けっこうな所まできていた。
ふと僕は絶海にひとり、ポツーンと取り残された感じになって、恐怖を感じた。
そして寒い!なんか寒い!
うわっなんかめっちゃ怖い。
どうしよう…!
とその時、目にとまったのは紐である。
ひもというのは、よくあるここからここまで泳いで的なあれである。
僕はうきわをかぶったまま手と足をばちゃばちゃさせそれを目指す。
ちくしょう、なみが邪魔するけど僕は負けないぞ!
やっとこさ辿り着くと、次から次へとたぐりよせるような感じでグイグイと進んでいき、ついに陸にあがることができた。
「おかえりー。」
時刻は夕刻。
冷たい風からk¥守るようにふるえる体をタオルでふいていく。
足にこびりつく砂が気持ち悪くて洗いにいった。
ようやく着替え終わって車に乗った。
まどをのぞくと、あかくやけたくもがたれこみ、海もまたせつなく流れていた。
明日から学校やなぁ。
あぁななんだろうか。このやrきれないかなしい感じは。
しょっぱい夏の思いを胸にしまって、車は出発した。
<おまけ>
あー、楽しかったなー。
そう思いながら僕は布団の上で何気なくあたまをかいた。
するとじゃりじゃりしたすながボロボロおちてきて僕はクスッと笑った。
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