越えられない壁で僕らの幸せは・・・(黒凪の話)
綾瑪 東暢
先輩
良いんですか?
俺がまだ当主ではなかった頃。
僕は
それに僕は高校に入り、好きな人が出来た。それは委員会の先輩だった。昔から僕だけに良くしてくれていつも「お前は後輩の中で一番優秀だよ。」と言って頭を撫でてくれた。僕は嬉しかった。初めてのことで少しだけ動揺もした。
僕は親に褒められたことがない。出来て当たり前、出来て当然。
それが親の言葉。でも先輩は褒めてくれる。よく頑張った。誇りだ。今度は俺の手伝いもしてくれ。そう言って僕に言われ慣れていない言葉を掛けてくれる。僕はもうずっと先輩のことが大好きだった。でも先輩は一つ上、来年にはこの学校を去ってしまう。
だから卒業式の日、僕は恥ずかしがりながら言った。
「先輩、
僕はその場を逃げようとした。そしたら先輩が俺の手を掴んだんだ。
「待って、待ってくれ!俺もお前のことが・・・でもお前には婚約者がいて、俺には到底届かないと思った!でもお前も・・・俺のこと・・・」
そう言いながら顔を赤く染めて言っている先輩がなんだかすごく・・言葉に表せないぐらい、好きでそれで・・・
僕は先輩と付き合った。毎日のように連絡して、遊びに行ってとても楽しかったし、一線だって越えた。
こんな幸せもう続かないのかもしれないでも、先輩と付き合っている時だけは幸せであって欲しい。それが、たった今の願い。お願い、お願い、もし、この世界に神様も仏様もいるのなら叶えて、叶えて欲しい。お願いだから、
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