第37話 吸血鬼の大群【2】
クトリ公爵の率いる騎士団は、流石精鋭と言っていただけの事がある、500の騎士が隊列を組んでの走行なのに、昼過ぎにコムラ砦町に到着した。
今日も監視はじじばば隊、騎士団を見てチョッと構えて居たが、僕達の先導にも気付いて居た様で、スエばあが手を振ってる。
「アラン様カンミ様ビオラ様が帰られた! 開門!!」
モンジイが大声を出してる。
「クトリ公爵殿、客人として吸血鬼ハンター最前線砦に招き入れる! 騎士団も門を通られよ!」
コムラ砦町は元気な超人達の働きで、元のミスダ町より二回り巨大に成っている、2000の超人隊の従者1500人の手で砦町の中に広大な農地が出来、農産物が過剰な収穫を達成している。
食料庫から溢れる芋を利用して、従者達は酒に加工して嗜好品として住民に支給してる。
超人の町は、周辺の町村と比べ異常に住み良い町、市に変わりつつ有る。
以前のミスダ町を知っていたクトリ公爵は、目を見開き驚いて居た。
「あの男が担いで居る袋、軽いので有るか?」
「麦30㎏入り袋、担いで居る5袋は150㎏ですね」
「150㎏も有るのか!!」
余剰芋を無駄にしない為の、芋焼酎の酒造所を見学した公爵は、しきりに感心して居た。
「吸血鬼ハンターとは、戦闘に特化しただけの者達で無く、優秀な人達なのだな! 超人化の処置が私にも施せるなら、超人に私もなりたい」
クトリはついに我慢出来ず言った。
「クトリ公爵殿ならば、超人化の資格は有りそうですが、たとえ国王ビクト殿に問われても秘密を漏らさない覚悟が無ければ、お勧めしません! 有余は
(ビオラの能力は公然の秘密、多くの者が知っている、別に国王に漏れても問題無いが、クトリ公爵には軽く釘を刺して置く必要がある)
「ふむ……覚悟か」
(国王様に問い詰められたならば、私は事もなく秘密を漏らすで有ろう、アラン殿はそれを見すこして、柔軟な拒否をされた様だ)
頭が良過ぎる優秀なクトリ公爵は、アランを誇大解釈し自己完結した様だ。
夜に成った。
「アラン皇帝! スカ子爵率いる吸血鬼2500、間も無く西の峠を下って来ます!」
「ネゴロ伯爵、自ら監視御苦労!!」
「はっ! 勿体無いお言葉! ネゴロ一族アラン皇帝のお役に立てて光栄で有ります!!」
「アラン殿? ネゴロ伯爵とは聞かぬ貴族だな」
「異国の貴族、ビクト王国の者が知らぬのは当然」
「アラン様! 様子見先鋒はじじばば隊にお任せ下され!」
「モンジイ任せた! 無理はするな!」
にっこり手を上げモンジイに、フデばあとスエばあの3人は門から飛び出た。
「アラン殿、あのじじばば隊が、吸血鬼ハンター最弱と言うのは本当で有るか?」
群がる吸血鬼を苦もなく消滅させる、モンジイ達を見てクトリ公爵が不思議そうに言った。
「機動的な動きで、ゾンビ級を翻弄して居るが、戦い自体は超人隊に劣ります」
やはり、超人化は諦められん! 何か良策を思い付け!!
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