東晋10 孫恩逆襲

孫恩そんおんが海上の島に出ると、多くの者がそこに付き従った。やがて再度の襲撃に出、瞬く間に永嘉えいか臨海りんかいを落とし、会稽郡かいけいぐんの郡府がある山陰さんいんまでを落とす。この戦いで謝琰しゃえんが死亡した。


建業けんぎょうはこの報せに大いに動揺した。冠軍將軍かんぐんしょうぐん東海太守とうかいたいしゅ桓不才かんふさい輔國將軍ほこくしょうぐん孫無終そんむしゅう廣陵相こうりょうしょう高雅之こうがしらに兵を与え討伐に出させた。


また吳興ごこうでは太守たいしゅ庾恒ゆこうが、またこの地の住民が孫恩に参与するのではないかと恐れ、男女数千人の虐殺に走った。

孫恩は高雅之を餘姚よようで破り、高雅之は山陰にまで逃げ落ちた。


司馬元顯しばげんけんは自らを後將軍こうしょうぐん開府儀同三司かいふぎどうさんし都督十六州ととくじゅうろくしゅうとし、元の官位をすべてもとのままであるとした。また子の司馬彥章しばげんしょう東海王とうかいおうに封じ、吳興ごこう四万戸ぶんの食邑を与えた。更に文學臣僚・吏兵を選抜し、東海国の官僚として任じた。




孫恩在海,妖眾轉復從之。既破永嘉、臨海,復入山陰。謝琰戰歿。於是建業大震,遣冠軍將軍、東海太守桓不才,輔國將軍孫無終,廣陵相高雅之等東討恩。吳興太守庾恒慮妖黨復發,大行誅戮,殺男女數千人。孫恩復破高雅之於餘姚,雅之走還山陰。元顯自為後將軍、開府儀同三司、都督十六州,本官悉如故;封子彥章為東海王,食吳興四萬餘戶,清選文學臣僚,吏兵一同宗國。


(魏書96-10)



庾恒はここに名前がありますね。

https://kakuyomu.jp/works/16817139559045607356/episodes/16817330649519522078

ひでえやつ扱いなので、こうしたこともやったのかもしれない。とりあえず晋書には載ってない情報ですが、おそらく現行晋書とは違う晋書に載っていたのでしょう。おそらく嘘ではないと思う。なにせこれまでも、ちゃんと晋書に載るひでえエピソードをわざわざ拾い上げています。魏収さんのことだから、そこに卒はないと信じたい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る