第20話 水上戦闘機と日本刀の話

前回に引き続き、東京の伯父の話


この話は、伯父本人から聞いた話に父や親戚から聞いた話とネット上にある海軍航空隊の記録を足した話になっています


戦時中の話

京都の大学に通っていた伯父は、昭和18年に海軍に招集され、滋賀県大津の海軍航空隊に配属されて水上戦闘機の搭乗員として訓練を受けることとなった

新型の戦闘機"強風"を受領して機種転換訓練の時、「お前、教官より操縦が上手い」と褒められたとか…


昭和20年3月頃、伯父が水上戦闘機強風でアメリカのB29爆撃機の迎撃戦を行ったという記録があるそうです

"B29の上方から対空の3号爆弾を投下しようとしたが、投下装置が凍り付いて作動しなかった為、20mm機銃で一撃…戦果なし、被害なし"

だそうな


伯父から聞いた話ではこれとは別件だろうけど、アメリカの爆撃機に撃墜された事もあるそうな…

"敵機の真後ろから近づいたら、爆撃機の尾部銃座で撃たれて墜落した

海に落ちて、一晩泳いで助かった"

との事


その後伯父は転属となり、終戦時には上海で迎撃戦をしていたそうな

"終戦があと一週間遅かったら、特攻隊だったな"

と、伯父は語っていた


伯父は海軍航空隊に入る時、実家にあった日本刀を軍刀に仕立てて持って行ってたのだが、終戦で武装解除される時に自分の刀が敵に没収されるのが嫌だったので、刀を油紙で包んで基地に生えていた柳の木の根元に埋めてきたそうな


…うちの刀、まだ上海に埋まってるのかな?



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