第11話 忘れない
ターニングポイントで2回のミス、あれからユキとも会ってない。普通にただ時間だけ流れていく。
あっと言う間の高校生活、寝ても変わらず、ターニングポイントらしきものもない。
2名の私立チーム、それぞれ男子校、女子校だか、あれ以来会っていない。不思議と情報もなく、何よりも記憶そのものが無くなってしまった。
高校生活からの記憶はしっかり残ってる。親友が付き合った彼女の紹介で俺も付き合うことが出来た女子のこと、その後すぐに別れてしまったこと。
出会い系で知り合った女子にデートすっぽかされたこと、高校卒業して大学行って、彼女が出来て、大学辞めて、専門学校行って、クラスに女子がいてウキウキしていたこと、たくさんのバイトで知り合った人達と飲み会や遊びに行く楽しさを知ったこと、専門学校が終わる頃に本格的に付き合ってる彼女と結婚考えたこと、そして…
覚えているどおりに時間だけが過ぎていく。
ユキ…なんでこんなに惹かれるのか?気になるのか?これほどの人とどうして別れたのか、たぶん俺が振られるんだろう、間違いなく。
俺からは連絡取れない、いつも現れるのはユキのほうから。覚えているのは時間軸調整課のユキってことだけ。時間軸調整課もそもそも存在どころか聞いたこともない。
会いたいなー、デートとかしたかったなー。
俺の経験からこの先に知り合う人は解ってる。
そこにユキはいない。
ターニングポイントもこの先無いだろう。
普通に生活していけば、同じルートをたどる。
普通に生きていれば…
ルート?もしかしてユキは普通に生活させるためのルートを確保したのか?誰と話していたんだ?レベル5ってどれほどのことなんだ?レベルっていくつ迄あるんだろう?
子供には見えているもの、大人になると見えない。
まさにそんな感じかな?ユキも俺が想像して作り上げた架空の人なのか?
そういえば、同窓会の知らせが来た。ユキを知ってる人に会えるかも。でもターニングポイントの原因となってる人だから向こうもどうなってるか。
辞めておこう。行くのは、いいこと無いような気がする。
好きになるって、外見や性格ではないんだな。
忘れられない人ってことかな。もう心はずっと真冬の寒さが続いている。もうすぐ夏なのに。
この状態でいて、いいのかな?なんか寂しいな。
ユキに出会っていずれ別れるなら、もう忘れたほうがいいのかもな。
今、付き合ってる彼女は無邪気に笑って俺との時間を楽しんでる。時々喧嘩もするが、それも良し。
この先、俺が煮えきらずに別れることになる。
ターニングポイントの操作、辞めておこう。
この先にいずれ出会う玲奈のために。
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