2-3 面接試験

 次の日、僕はハンバーガー・ショップの面接試験を受けていた。


「……それで、当店のフライドポテトが好きになったんですね」

「そうなんです。母がよく作ってくれたものと感じが似ていて」


 「清潔感が大事だよ」と、香子姉さんにアドバイスをもらった僕は、面接前にシャワーを浴び、髪を整えて試験に臨んだのだった。


「私どものお店について、すこしお話しさせていただきます。当店、バンズ山河店は県内に七店舗のチェーン店を持つハンバーガー・ショップの系列店です。山河店は、売上が県内トップで、メンバーも一番多い二十名程が、現在在籍しています」


 そこで、バンズの店長は一息ついた。


「現在は、山河大学と、君が通っている西峰高校の学生を中心としたスタッフが働いているんだよ」

 僕は、自分の通う学校の名前が出てきたので、少し興味をひかれ、質問を口にした。

「西峰高校のおアルバイトは、何人くらい居るんですか?」

「五人です。男の子が二名、女の子が三名ですよ」

「大体、何時から何時まで働いているのですか?」

「開店時間の十時から夜の十時の間で、六時間くらいだね、高校生は。店自体は、十一時まで営業しているんだよ」

「そうなんだですね、ありがとうございます」


 店長はそこで一拍置いた。

「君さえ良ければ、明日から来て欲しい」

「明日からですか?」

 僕は驚いて、そう返答してしまった。

「難しいかい?」

 僕はふるいたった。

「いえ、大丈夫です。僕、頑張ります」


 何とも拍子抜けした合格通知だった。

 そして僕は、次の日からハンバーガーショップ「バンズ山河店」に勤めることになったのである。

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