ことひとの剣 泊地舞
時は江戸時代初期。徳川家光による海禁政策が施行されて間も無くの頃。
下級藩士で禄も少ない橘は百姓に混じり冴えない日々を送っていた。
ある日、橘は村娘に暴行を奮おうとした与太者3人を鮮やかな太刀筋、そしてトドメにねだり小手(突きの際手首を捻る。物をねだる童のごとく右手の掌が上を向くことからこの名で呼ばれる)という技を用いて斬り伏せてしまう。
橘は東南亜細亜バタビアの元日本人傭兵、佐々木玄珠郎に師事した使い手であったのだ。
村娘や百姓達の嘆願と、裁定をした倉木福衛門が父の友人であり以前から懇意にしていたことから、橘は藩から禄を減らされるだけの処分を受けた。
これを不服とする斬られた与太者の父、豪商である駕籠屋惣兵衛は役人大山主膳と結託し橘を亡き者にせんとする。
大金により集められた暗殺者は玉石混交。
珍妙な技を使うものもあったが、橘は何とか何人かを返り討ちにし生き残る。
しかし、家に戻ると刺客の一人、陰流の使い手朽善之進(すたれぜんのしん)により父母は殺害されていた。
藩はこれを黙殺。
福衞門も徒党に襲われ重傷を負う。
ついに橘は復讐の鬼と化し、かつての師玄珠郎に「泊地舞(はくちまい):オスマン帝国などイスラーム戦士が曲刀を用いる際の術。刀の持ち手を背後に回しながら身体ごと旋回し、ねだり小手で敵を突く技」を伝授される。
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