第五話 Feathers Cgome Together To Form Wings

保健室の前に立ち、走は深呼吸して、心を落ち着かせる。

「失礼します」

「おいまさか、こいつ俺よりでかくね、待て待て年下だったりしないよな」

「よ、走」

「早い再会だったな、走」

関崎が走に向けて、手を上げる。

「関崎さん!」

「2人はもう会ってたのか、じゃあ飛ばすか」

「こんにちは、僕は鴉馬走です、よろしくお願いします」

「俺は網繋音、18歳独身、身長は166. 8cm、お前身長は?」

「確か、172.4だったかなぁ」

「負けた!」

「そう、しょげんなよ、お前の親父めっちゃでかいじゃねぇか」

「俺は187だ」

追い打ちをかける様に関崎も身長を言う。

「うわぁ!」

「止めろ、それ以上音を刺激するな」

「落ち着いてください」

黒武たちは席に戻り、用意されたお茶を飲む。

「さて気を取り直して、今日の作戦について、話す」

「走は勇我の隊に入るんだろ、なら俺は関係ないな」

「いや川、場合によっては走を研究部隊に入れる」

「そうか」

「まあ、勇我さんにドカッと任せてくださいよ!」

「そうだな、勇我ならやってくれる、そういうことで走、今日の夜は勇我に任せろ」

黒武はグッと親指を立てる。


 夜、カゲロウたちが集まるというマンションの前に車が十台、戦闘部隊は王撲勇我率いる特効部隊、王仕賢衆率いる処理部隊、王視帝使率いる回収部隊に分かれた、一部隊約十三人、織田小太率いる司令部隊は二十五人体制で戦闘部隊の隊服に付いた小型カメラと先にハッキングしておいた監視カメラから現場の状況を監視している。

「よし、これから、カゲロウを第14回カゲロウ殲滅作戦を実行する!」

勇我は前に立ち、指揮を取る、走は勇我のいつもと違う真面目な雰囲気から、この作戦の重大さを再認識する。

「「はい!」」

「準備は良いか?」

「「はい!」」

「それじゃ、これからの命令権は司令部隊および黒武勝鳥に移行する、織田」

司令部特設施設から織田が指令を出す。

「了解、それじゃあ前列13名は特攻部隊、後列右半分6名は処理部隊、もう半分は回収部隊に」

織田がすばやく冷静な判断を下す。

「黒武、何かあるか?」

「特になし! 作戦開始!」

「「おーーう!」」

まず特攻部隊があらかたカゲロウを倒す、目的は最上階にいると思われる親玉である、後に続いて処理部隊がトイレや個室にカゲロウが潜んでないかチェックする、発見し次第討伐、回収部隊は切れたカゲロウの手や痕跡を袋にいれる。

「カゲロウは硬式ボールぐらいの核があるんだ、そこを突けば、大体一撃だ」

「なるほど」

「まあ、隊長達は核とか関係なく倒すけどな」

「へぇ」

走は網繋と特攻部隊が通った道を歩いていた。

「あなたたち、特攻部隊だろ、速く行け、処理の邪魔だ」

「すいません、賢衆さん」

「分かったなら、行け」

「はーい、ほら走」

「はい」

走たちは特攻部隊に追い付く、幸いそんなに離れていなかったのですぐに追い付いた。

「そろそろ、最上階だ、全員構えろ!」

「「はい」」

剣を持つ者は刃を付け替え、銃を握る者は弾を込める、走は武者震いを抑えて覚悟を決める。

「突撃!」

「チィ、思ったよりも早かったな……だが」

スーツを着た男、一見普通の人だが、手は黒く伸びている、特攻部隊の姿を見て、男は窓を叩き割る。

「ウッ」

ガラスの破片が飛び散り、目をつぶってしまった。

「待て!」

何人かが発砲するが、弾かれる。

「ははっじゃあな」

「まずい!」

「皆さん、動かないで!」

織田の指令が入る。

「なんでだ……よ」

弾丸が勇我の頬を掠めた、マンションから1キロ離れたマンションの屋上から、黒武がカゲロウを狙撃した。

「ナイスショットだろ?」

「くそ、とられた」

「まあ、作戦成功したし」

その後、特攻部隊はΑphone本社に戻り、処理部隊は証拠の隠滅、回収部隊は怪我人等を運び出す、司令部隊は監視カメラの映像をフェイク動画とすり替える。


 打ち上げに呼ばれた走は酔った黒武に絡まれていた。

「はしりゅー」

酒臭い、馴れない匂いに走は頭痛を起こして、早めに帰った。

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