異世界に転生してもゲイだった俺、この世界でも隠しつつ推しを眺めながら生きていきます~推しが婚約したら、出家(自由に生きる)します~

くりもも

第一章 少年編

プロローグ

俺がゲイだと自覚したのは、高校生の時だった。中学生までは女性と付き合っていたのだが、高校生になると、「なんか違うな」と感じ始めた。ネットで調べた結果、自分がいわゆるゲイなのではないかとの結論に至った。同級生や友人のことを好きになるも、それを伝える勇気が出なかった。



そうこうしているうちに、俺にはカミングアウトをする勇気がなく、こうして三十歳までゲイであることを隠しながら独身のままである。周りからはなぜ結婚しないのかと聞かれるが、その追及を気持ちを押し殺しながら躱していく日々。俺は幸せになれるのだろうか………。



そんなある日、仕事から帰っている途中だった。今日は金曜日で明日からは休みだ。酒を買い込んで一杯やろうと、家に帰っている途中俺は見てしまった。路地裏で、女性が襲われているところ。見て見ぬふりはできなかった。カミングアウトする勇気はないくせに、こういう中途半端な正義感を持ち合わせていた。俺はその女性に声をかけ走り寄った。すると襲っている大柄な男性が一言、「邪魔するな」と言った。それが聞こえた瞬間、腹部に強烈な痛みが走った。俺はその場に倒れ込んでしまった。腹部を見ると、ナイフが突き刺さっており血が大量に流れていた。そのまま女性が連れていかれるのをただ見ることしかできないまま、俺は意識を失った。



もし叶うのならば、同性カップルが広く認められる世界に生まれ変わりたい………。

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