詩集 Art Gallery

もざどみれーる

凪痛

「ああ 時がむ」

……そんな静かな激情が

心のひだに有ってもいい

でも

時の風は

緩やかに凪ぐのか

肌の創口きずぐち

さらに痛めるのか

分からない

分からないから

分からないながら

僕は 胸底の庭園に

季節のたねを放っておこう

そして あっという間に

それを悉皆すっかり忘れてしまって

そのまま 鍵をかけてしまおう

記憶色おもいでいろの波浪が

決意という金壁こんぺきの岸辺に

朗らかに 打ち砕けるまで


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