俺のこと、どう思ってる?

キンコンカンコーン。

「やべ。昼休み終わった」

「…」

「えり、どうする?このまま帰る?俺、先生に言っておくよ?」

「どうしよ…。目…、腫れてる?」 

えりは湊を見た。

えりの目が潤んでいたせいか、湊はドキッとしてしまった。

「あ…、たぶん」

湊は目をそらした。

「じゃ、帰るかな。でも、自分で言ってくる」

「うん…」

「湊、ありがとう」

「ううん。また…、話してよ」

「うーん…」

「ちゃんと息してよ?」

「してるよ」

えりは笑った。

「パブロ以外に、初めて話した…」

「…そう」

「じゃ、お腹痛いってことで早退するね…」

「うん」

「ありがとう」

えりはもう一度言って、職員室に向かった。

(…そりゃ、彼氏には話してるよな…)


えりの彼氏がどういう人なのか、一度一瞬会っただけの湊には分からなかった。

湊はえりが彼氏のどこが好きかなんて、今までずっと興味がなかったので、聞いたりしなかった。

普通の女子なら、好きな人の話はいくらでも人に聞いてほしいと思うものだけど、えりは違った。


今、湊は、えりに彼氏の事を聞きたくてたまらなくなっていた。

(どこが好きなんだ?なんで…2年も遠恋してまで。何で、2年間なんの連絡も出来ない?)

えりに、全部ぶつけていいなら、そうしたかった。

(…俺の事は…どう思ってる?)

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