「連絡ハトレマセンデシタ」

「そんな馬鹿な！？」

　声を荒げる俺。

「住所モナク、電話モ別人ガトリマシタノデ、ゴ確認ヲ」

　俺が連絡を延ばすうちに、家族と連絡がとれなくなった。

　はじめは、メリーがいるからだと思っていた。ただ、アイツだけは他の人と違うと思っていたのに。住所と電話番号をどうしたんだろう。

　俺の親はとうに死んでいる。つきあいの古い親戚もいない。

「オ亡クナリニナラレタノカト」

　久しぶりに山田を殴った。

　俺が裏切った家族は、いつの間にか――――。

　ようやく知った事実とは裏腹に、今晩も俺はメリーを抱く。

　もっと早く連絡していれば。

　俺が馬鹿なことをしている間に。

　申し訳ない…………。

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