第23話 旅仲間から始まる崩壊
1、偶然の旅仲間
ぼくはラウリー・バッドラウドリー。
ぼくたち四人は、世界を救うための旅をしていた。
ぼくとデジニーは魔術師だ。
世界を救う旅だといっても、その旅仲間にどんなやつがいるかはわからない。
「私の目的は、世界を滅ぼすことよ」
デジニー・ラファイエットはぼくにそう告げた。
ぼくらは四人で何度も森の中の妖精に会いに行き、その贈り物を村長に届けた。旅仲間の中で、いちばん強いのは圧倒的にデジニーで、その次に強いのがぼくだった。
世界は四大元素の均衡を崩して壊れかけていて、世界を救おうとしているぼくの旅仲間に、世界を滅ぼそうとしている女の子がいたのは最初はただの偶然だった。
ぼくがデジニーに負けたら、世界が滅ぶ。
デジニー。頼むから、危険なことはしないでくれ。どんな旅仲間なんだ。
2、天才児性愛
夢を見た。
ぼくがとても弱くて、弱くて、デジニーに守られている夢。
世界を守護するべく作られた聖児童ラウリー・バッドラウドリーを手に入れるために、デジニー・ラファイエットが地下根の魔力を奪い尽くして、世界を滅ぼし始める夢。
デジニーがぼくを手に入れるために世界を滅ぼしてしまう夢。
ぼくは誰だ。成績は天才児だとされている。
デジニー! なにをするんだ。
いや、落ち着け。ぼくが天才のわけがないだろ。これは夢だ。夢を見ているんだ。早く目を覚まさないと。
3、お風呂の悪魔
旅の途中で、お城に泊まった。そのお城のお風呂に女の子が入っていたんだけど、そこで事件があった。デジニーが裸で走ってきて、ぼくの前にやってきて、胸を押さえてこういった。
「たいへん、ラウリー。誰かが着替えを持っていちゃった」
ぼくは、お風呂まで探しに行ったんだけど、確かに着替えが全部ない。そして、他の女の子たちもみんな裸で騒いでいる。裸の女の子たちの中をぼくはタオルの箱まで走って行って、
「ほら、ここにタオルがあるから」
ていったら、タオルが入ってなくて、集まってきた女の子のおっぱいが目に入ってきて、デジニーはまだ裸で走っていた。
4、反対衝動
ぼくはラウリー・バッドラウドリー。
知り合いの女の子だってたくさんいるさ。
デジニー・ラファイエットは、世界を滅ぼそうとしている。
世界を救うためには、デジニー・ラファイエットがなぜ世界を滅ぼそうとしているのかを調べなければならない。それがわからなければ、旅をしているうちに世界が滅んでしまう。
魔術師による精神操作。
魔術師グロジアは、世界中から世界を最も存続したがっている意志を見つけて、その意志の持ち主の少女に反対衝動を埋め込んだ。それがデジニー・ラファイエット。
かつて、世界を最も存続しようとする強い意志を持った女の子だったデジニーは、魔術師グロジアによって、世界を滅ぼそうとする女の子になってしまった。
魔術師グロジアは退治した。しかし、デジニーに仕掛けられた反対衝動は治らない。
ぼくは、世界でいちばんデジニー・ラファイエットが好きだ。彼女の心を解きほぐして、世界を救いたい。
5、旅の途中でいつでも
ぼくらは四人で旅をしていた。そのうちの一人はデジニーだ。最近、凄い美少女になってきた。
ぼくらは世界を救うために旅をしているのだ。それがどういうことか、デジニーに教えてもらおう。
「つまり、あなたたちは、私を倒すために旅をしているんでしょう」
デジニーがいう。妖艶な仕草がかわいい。
そうだ。ぼくらは、旅仲間のデジニーを倒すために、旅をつづけて成長しようとしているのだ。
デジニーが世界を滅ぼそうとしているから。
デジニーに勝てる武器を手に入れるために。デジニーに勝てる仲間を見つけるために。デジニーの弱点を探すために。
そのために旅をしているのだ。
見聞を広めれば、デジニーの反対衝動を解きほぐす方法が見つかるかもしれない。
「決着、つけようか、私と」
デジニーが前に立ちふさがる。
「世界を救う見込みがあるのは、あなたたちしかいないわ。だから、あなたたちと決着をつけようと思うのよ。勝負しよう。私は世界を滅ぼしたいの」
そして、突然に始まるラスボス戦。
6、世界の崩壊が広がる
デジニーが魔力を爆発させて、大地が揺れ始める。
「万が一つにも、あなたたちに勝ち目はないわ」
デジニーがいう。
「今日、あなたたちが負けて、世界が滅ぶのよ」
デジニーがいう。
「まさか、私を監視するために一緒に旅をしていたんじゃないでしょうね」
デジニーが怒る。
「デジニーより強い人を探して旅をしていた。だけど、もういい。だいたいわかった。デジニーより強い人は存在しない。そして、ぼくら三人は、デジニーの次に世界で強い三人だ。もう旅をする意味はない」
ぼくがいう。
「そっちが三人がかりでも負ける気はしないわ」
デジニーが笑う。
世界が滅び始めた。
デジニーの両手の間から世界の崩壊が広がる。
まずい。ぼくがデジニーに負けると世界が滅ぶ。
「勝負だ」
ぼくはデジニーに挑む。
ガスッ。
デジニーがぼくの槍を受け止める。
「思ったよりいい一撃ね」
「ぼくがデジニーに本気で勝負するのは、初めてかもしれないよ」
「はん。世界が滅びるかどうかは私が決定できるのよ。ここはそういう世界なの」
「それを止めるためにいるのがぼくなんだ」
デジニーの両手の間の崩壊がさらに広がる。
ガスッ。
ぼくの槍がデジニーの腹を突き刺し、デジニーの作り出した崩壊が消える。
「きみを助けるのがぼくの夢だった」
ぼくは涙を流した。
「魔術師グロジアの魔術がデジニーの死ぬ前に消えるように」
そして、誰か地獄耳で人の声を聞いている魔術師がいるのだろう。ぼくの声を聞き、その通りに魔術師グロジアの反対衝動を消滅させた。デジニーの精神が元に戻り、強い存在存続願望を魔力で発動する。
そして、デジニーは無事だった。
世界は滅びることなく、デジニーももとに戻った。これでよかったんだ。ぼくは安心した。
ラスボス系ヒロインは、ラスボス戦に勝つことがある。本当に気を付けろ。
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