宛先不定・期限アリ
一人暮らしをしているアパートに『ヒラサカイズミ』とだけ裏面に書かれた封筒が月に一度届くようになったのだが、家族に尋ねても心当たりがないというので趣味の悪いいたずらだと思っていたのだけども、お盆に父の実家に帰省したときにふと叔父に封筒のことを話したところ、叔父は黙って煙草を一本吸い切ってから財布からあるだけの紙幣を取り出して「とりあえずはこれで勘弁してくれ」と言って頭を下げたので、何か知っているのは明白なのだけども、叔父のひどく怯えた目と「今年中に始末をつけるから」という一言がどうも気にかかり、受け取った紙幣に手を付ける気にもならず、俺は相変わらず届き続ける封筒をゴミ箱に放り込む。
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