単純明快/後悔噬臍
先輩は何もかもが分かりやすい人で、カラオケに行くと好きなバンドの曲しか歌わないし、サークルの飲み会でも嫌いなOBが来ると「知らないです」「そっすか」という雑なさしすせそ対応しかせずに黙々と日本酒を飲み始めるし、小説の趣味が合うと分かった途端にお勧め本の題名を頻繁かつ一方的に送ってくるという具合ではあったがそれなりに楽しくやれていたのだけど、先週の金曜日にいつものように「無伴奏ソナタ読んだ? あれお前好きだと思うよ」とメッセージを送ってきた直後に先輩は電車に飛び込んで細切れになってしまったという事実をどう理解すべきかだけ、俺にはまだ分からずにいる。
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