　恐らくは今年の春、後輩の葬式から帰ってすぐにどろどろに飲み潰れた夜からなのだろうが、朝起きると首筋に噛み痕がつくようになったのだが、魔除けやなんやの知識もお祓いのあてもなく何より金と時間が惜しかったので大きめの絆創膏で隠すことで問題なく誤魔化せていたのだけども、最近では相手も知恵をつけてきたようで、脇腹に膝裏など柔らかく見えづらいところに痕をつけるようになり、この間は同僚が喫煙所で煙越しにも分かるほど気まずそうな顔でうなじに赤々とした痕跡があることを指摘してきたので、いい加減何らかの対策を行うべきかまずは同僚の誤解を解くために一から事情を説明するべきかを考えてはうんざりしている。