第5話
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「皆様、当機は間もなく離陸態勢に入ります。リクライニングシートとテーブルを元の位置に戻し、シートベルトをお締めください」
動き出した飛行機、響くCAのアナウンス。まるで初めて飛行機に乗った子供のように、緊張してしまう俺。まさか同じ飛行機にいないよな、と思って辺りをつい見回してしまう。
「ハルサン。怪しいでスよ」
「あ、ごめん」
小声で彼女から注意され、素直に従う俺。念のため、機内ではお互い偽名で呼び合うことにしている。それにしても、パスポートの姉の写真と今のタオファさんは本当に似ていて見分けがつかない。だからこそ無事飛行機に乗り込めたわけだが、姉の実力に感心してしまう。
やがて、機体は滑走路に辿り着き、徐々にスピードを上げていった。そして、勢いよく宙へ浮き上がる。
タオファさんは、黙って窓の外を見つめていた。まるで、日本との別れを惜しむかのように。
「仕方ないよ。またいつか来れば……」
いいじゃないか、と言いかけたところで俺は自らの唇を閉じた。彼女が、来日を育ての親に禁じられていることを思い出したからだ。
彼女は、黙って正面に向き直った。その瞳からは、一筋の涙が零れている。
「……ゴメンナサイ、ハルサン。迷惑をかけテ……」
「い、いや、別に……華(はな)さんのせいじゃないし」
「イイエ、私のせいデス。私のせいデ、一緒に上海まデ来てもらうなんテ……本当に、ゴメンナサイ」
「だから、気にしないでって……」
そんなことを言っても、恐らく効果はないだろう。諦めて、俺は別の話題を振ることにした。ずっと聞きたくて、でも言い出せなかったことを。
「……ねぇ、華さん」
「ハイ?」
「……どうして、俺と初めて会った時……結婚してください、なんて言ったの?」
俺がタオファさんの目を見つめて言うと、彼女は瞬時に頬を赤く染め、瞳を潤ませ、俯きだした。
「……ソ、それハ……」
「……俺と結婚すれば、日本国籍を得られるから?」
「ちっ、違いマス!!」
思わず大きな声を張り上げてしまい、彼女は慌てて両手で口を塞いだ。周辺の乗客が彼女を気にしたが、その注意はすぐに逸らされた。
「私……読みたいでしタ。ハルサンの小説。何だカ、トテモきれいな言葉デ、素敵なオ話が書かれていルような気がしテ……だかラ、私、日本語ノ勉強、頑張りましタ。そしテ、小説が読めるなりましタ。トテモ嬉しいかっタ。そしテ、ハルさんにお手紙、書きたいなりましタ。でモ、まだ私、日本語上手でなイ。だかラ、アキサンにお願いしテ、書き直すもらいましタ。ハルさんノ返事来テ、私、人生で一番嬉しいなっタ。文通、トテモ楽しいでしタ。私、ハルサンに、ズット会いたいでしタ。だかラ、会った時、嬉しイなり過ぎテ、私、ツイ……」
繊細で美しい絹の糸が紡がれていくように、柔らかく温かい言葉が一枚の大きな布となって、俺の心を包んでいくようだった。聞いているうちに、俺もいつの間にか涙を流していた。
「でモ今は、本当二、結婚したいでス。ハルサン」
「えっ……?」
俺が戸惑っていると、ひじ掛けに乗せていた俺の右手の上に、彼女は自身の左手を重ねた。
「スキでス、ハルサン。私、アナタのコト、大好き。夫婦なりたイ。でモ……」
「……で、でも?」
「私……実は、婚約者いまス」
「こ、婚約者っ!?」
本当に、彼女には次々と驚かされる。しかし、大企業のご令嬢なら、フィアンセがいてもなんら不思議ではない。
「王(ワン)耀(ヤオ)麗(レイ)、知ってまスか? 中国でモデルやっているでスが、彼は、棗(ツァオ)紅(フォン)が買収すル会社の御曹司。つまり、政略結婚みたいなモノでス。私、彼と一度も会ってなイ。私、おじいサンに嫌だ言いましタ、でモ、無視されましタ。私、大学卒業しタ後、スグ彼と結婚しまス」
「……そう……」
「ハイ……」
王(ワン)耀(ヤオ)麗(レイ)。俺でも知っている、中国のスーパースターだ。かなりのイケメンで、モデルのみならず俳優や歌手としても活躍しているカリスマ的存在で、日本にもファンがたくさんいる。そんな彼と俺なんて、もはや比べるまでもない。
それから会話が続くことはなく、彼女はずっと窓の外を見続けていた。俺はいつの間にか自分の置かれた状況も忘れて、睡魔に負けて眠ってしまっていた。
「皆様、当機は間もなく着陸態勢に入ります。リクライニングシートとテーブルを元に戻し、シートベルトをお締めください」
離陸から約三時間後、遂にこの時が来た。緊張が走る。飛行機が雲海に突っ込むと、上海の国際空港が見えてきた。外は既に暗く、建物の明かりと滑走路のライトだけが頼りである。
飛行機は無事着陸し、乗客は荷物を持って次々と降り始める。俺たちは、最後の方になってようやく立ち上がり、座席から離れた。
到着ロビーには、既にタオファさんのお祖父さんたちが迎えに来てくれているはずだ。何故なら、全ての事情を説明したメールを、姉貴が英語で書いて棗紅(ツァオフォン)本社に送ってくれたからだ。彼女がすぐにお祖父さんたちに保護されれば、恐らくマフィアに捕まることはないはずだ。俺が誘拐犯でないことも、タオファさんが説明してくれれば伝わるだろう。
これで一安心――と思っていたが、到着ロビーで仁王立ちで待ち構えていたのは棗紅(ツァオフォン)の社長ではなく、何と俺の父・天川龍彦だったのだ。
「お、親父……どうして……」
しまった、と思ったがもう遅い。変装していたことを忘れてそれを口走ってしまった俺は、すぐに迫って来た父に眼鏡の奥から睨まれ、胸倉を掴まれ、そして思いっきり殴られた。俺は、空港の冷たく固い床に倒れ込んだ。
「シュンヤサン、シュンヤサンッ!!」
悲鳴を上げ、思わず俺の本名を叫んでしまった彼女。そんな彼女の両腕を、本物の棗紅(ツァオフォン)のSPが捕らえる。彼らの背後から、彼女の祖父らしき貫禄のある老人が姿を現した。髪と髭は白く、スーツに何とか収まっている腹はとても大きい。更にその後ろには、中国の報道陣がカメラとマイクを構えている。
『お祖父様!!』
『桃(タオ)華(ファ)、お前、黙って日本(リーベン)へ行くなんて……儂がどれだけ心配したか、わかっているのか!?』
彼女も彼女で、祖父から平手打ちを食らっていた。しかしその後、老人は最愛の孫娘を強く抱きしめた。強面には似合わないほどの量の涙を流して。
だが、俺の父の対応はそれとは打って変わって冷たいものだった。
「親父……どうしてここに……」
「どうして、だと? 夕夏が棗紅(ツァオフォン)に送ったメールの件を、本社から聞いたからだ。よくも恥を晒してくれたな、この馬鹿息子!!」
「やめてクダさい、タツヒコサン!! シュンヤサンは、私を守ってくれた人でス!!」
『お嬢様。真実がどうであれ、私の息子があなたの誘拐犯として世界中で疑われているのも事実なのです。そのお陰で、我が社と御社の共同企画は白紙になるかもしれない。コイツは重罪を犯した愚か者なのです!!』
父は中国語でタオファさんに話した。内容は難しくてよく理解できなかったが、何となく、父が俺を責めていることだけはわかってしまった。
けれど、彼女は折れなかった。
「違いまス!! シュンヤサンは、誘拐犯なんかじゃありまセン!! 逆でス、私を攫おウとしたマフィアから守ってくれましタ!! ユウカサンも、ホシエサンも、私助けてくれましタ人デス!! お願いデスからそれ以上酷いコト言わないでくだサイ!!」
彼女は、大粒の涙を流しながら俺のことを擁護しようとしてくれた。
その姿を見て、俺は胸を打たれた。機内で言ってくれたあの言葉は、嘘ではなかったのだ。
「それに、シュンヤサンは、私の夢叶えてくれタ人でス! シュンヤサンのお陰で、私、初めテ日本で同人誌出すしましタ!!」
「同人誌……だと?」
しかし、最後の一言は蛇足だった。その発言を聞いて、父の表情はより一層険しくなった。
「お前、まさか、まだあんな汚らわしいことを続けていたのか!?」
父は、再び俺を殴ろうとした。再び悲鳴を上げる彼女。
しかし、俺は親父の腕を掴んで止めた。そして、強く睨み返す。父は、一瞬怯んだような顔を見せた。
「……確かに、アンタにとっては汚らわしいことかもしれない。けど、俺たちにとっては、本当に大切な宝物なんだ!! 彼女の前でこれ以上否定することは絶対許さねぇし、アンタが同人活動を止めろと言っても絶対に止めない!! もうアンタの言うことなんか聞くもんか!! 俺はもう、失敗作なんかじゃねぇッ!!」
俺は、彼女の夢を叶えた。俺は、彼女に幸せな思い出を贈ることができた。俺は、彼女をここまで守り抜くことができた。
そんな自分のことを、もう卑下する必要なんかない。俺の人生が成功か失敗かなんて、親や他人が決めることじゃない。他の誰でもない、俺自身が決めることだ。今まで上手くいかなかったのなら、またやり直せばいいだけだ。転んでも、立ち上がればいいだけだ。何度でも、何度でも。
自力で立ち上がれなくても、俺には、手を差し伸べてくれる人たちがいるから。
「……ちょっと、親子喧嘩はそのくらいにしてくれないかい? 全く、君たちのお陰でいつまで経っても出られないじゃないか」
親父が返答に困っていると、何者かの声が到着ロビーに響いた。彼が帽子とサングラスを外した途端、その場は女性たちの黄色い声に包まれた。
「わ、王(ワン)耀(ヤオ)麗(レイ)!? 日本に行っていたでスか!!」
「そうだよ、初めましてマイフィアンセ。日本へは、ちょっとしたバカンスをしに、ね」
名前の通り、艶めいた長髪に整った顔立ちで女性たちを魅了するその輝かしい様は、まさにスーパースターを体現したようなものだった。そして、なぜか日本語がとても流暢である。
「それにしても、君の愛には恐れ入ったよ、李(リ)桃(タオ)華(ファ)! 彼のことを、本当に愛しているんだね!!」
そして、急に笑顔で拍手をし始める王(ワン)耀(ヤオ)麗(レイ)。タオファさんは一瞬だけ頬を紅色に染めたが、祖父の視線に気づいた直後、一瞬で青ざめた。婚約者の目の前で、他の男への恋心を暴露してしまったからだろう。
『桃華。お前、自分が何をしたのか、わかっているのか?』
『お、お祖父様……私、その……』
棗紅(ツァオフォン)の社長が険しい形相で迫ると、王耀麗が間に入って制止した。
『お待ちください、社長。どうか彼女の恋心を尊重してくださいませんか。そして、私の意思も……』
『何だと? 貴様、どういうつもりだ!?』
社長は眉間に皺を寄せたが、それでも彼は怯まない。
『社長。此度の婚約は、破棄させて頂きます』
『なっ……!?』
『何故なら、僕にも愛する人がいますから』
そう言ってから、こっちに来てと日本語で誰かに声をかけた。到着口から姿を現したのは、何と、彼と一度日中合同制作映画で共演したことのある、日本の大人気若手俳優だった。中国でもかなりの人気のようで、周囲の女性たちと報道陣が騒ぎ出す。
『皆さん、紹介させて頂きます。彼は僕の恋人、田部(たべ)翔(しょう)真(ま)くんです。実は僕、ゲイなので、彼女と結婚はできません。しかし社長、会社の買収の方は進めて頂いて一向に構いませんので、ご安心ください。父にも同意を得ています』
彼が恋人と肩を組んでウインクすると、田部翔真もプロの微笑みを見せ、そして、彼にキスをした。突然の爆弾発言と接吻に悲鳴が上がり、カメラマンたちが一斉にフラッシュをたき始める。棗紅(ツァオフォン)の社長は、驚きのあまり腰を抜かして尻餅をついていた。口も開きっぱなしだ。
『大丈夫ですか、お祖父様!?』
タオファさんが駆け寄って肩を揺らしても、まるで反応がない。どうやら、本当に気が動転しているらしい。
『社長、この度は私の倅が粗相をしてしまい、大変申し訳ございませんでした。ご迷惑をおかけしてしまったので、今回のお話は、我が社の方から辞退させて頂きたく存じます。誠に残念ではございますが……』
跪き、社長に謝罪する父。仕事の話でようやく我に返ったのか、社長は焦点を父に合わせてから立ち上がった。
『ああ、すまない、見苦しいところを見せてしまったな……天川君、共同開発の件は、今のまま進めて構わんよ』
『し、しかし……!!』
『……正直な話、私はまだ君たち日本人が苦手だ。親を日中戦争で亡くしているからな。だが、君たちの技術力は他の追随を許さないほどに素晴らしい。そして、私は孫の言っていたことを信じたい。孫をマフィアから守ってくれたという息子さんの偉業に免じて、共同開発も進めるし、婚約破棄も認めよう』
『お、お祖父様……本当ですか!?』
『本当も何も、彼が同性愛者なんだから、そうせざるを得まいよ』
はっはっは、と社長は鬼の面を崩して大声で笑った。心底愉快そうな笑みだった。
『ところで……彼に礼を言いたいんだが。訳してくれるか、桃華?』
そう言って、社長は俺を指さした。彼女はもちろんと答えて、社長を俺のもとへ連れて来た。そして、社長の言葉を日本語にして俺に伝える。
「今回ハ、孫の為にありがとうございましタ。アナタに罪ないコト、私、言いマス。それト……エッ!?」
社長の言葉に驚き、顔を赤くするタオファさん。一体、彼は何と言ったのだろう。
俺が首を傾げていると、彼女はなぜか俺から目を逸らしながら、小声で言った。
「もっ……もシ、孫ト結婚しテくれたラ……棗紅(ツァオフォン)ノ次ノ社長になってくれまスか、ト言っていまス……」
「へぁ!?」
予想外の発言に、つい奇声を発してしまった俺。父に横から睨まれ、慌てて返事をする。
「あ、あのっ……誠に恐れ多いのですが、俺……いや、私には実は、なりたい職業がありまして……」
「……それハ、何ですカ?」
「……に、日本語教師です。俺、外国の人に日本語を教える仕事がしたいんです。例えば、タオファさんみたいな人に……」
「……そ、それハ素晴らしイ! でハ、後継者は優秀ナ部下から選ぶしまス。私の社員タチにもいつか教える欲しいでス!」
社長は、満面の笑みで拍手をし、俺の夢を称えてくれた。タオファさんもそれに倣う。一方で、横から父が怪訝そうな顔をして尋ねてきた。
「日本語教師? お前、正気か? あれは、最初は非常勤講師から始めなければならないんだろう? まともな収入なんて得られないんじゃないか?」
「あれ……親父、何でそんなこと知ってんだよ。やけに詳しいな」
「……お前の机の上に、置いてあっただろう。そういう資料が」
なぜか、親父まで顔を赤くして目を逸らす。要するに、息子の将来が心配で、一度勝手に俺の部屋に入って俺の希望している職業のヒントを探ったことがあるということか。
「……勝手に部屋に入って資料を見たことと、さっき殴ったことは謝る。すまなかった。それと、いつかお前に失敗作だなんて言ってしまったのは……本当はなりたい職業があるのに、それを正直に親に言えないまま、適当に就職活動をした挙句フリーターになっていたからだ。だが、正直に言えなかったのは、私の態度が威圧的だったからだろうな……」
「親父……」
確かに、父は俺が小さかった頃からよく叱る親だった。角で急に飛び出すな、お小遣いを無闇矢鱈に使うな、勉強は真面目にやれ――例は数え切れないほどあるが、その厳しい言葉たちの中には、必ず俺を気遣い、愛する心があったように思えてきた。先ほどの怒りも、無茶なことをするなという気持ちの裏返しだったのだろうか。
「ところで、春夜。なぜ、日本語教師がいいんだ?」
「それは……」
しばらく思考を巡らせてから、俺は少しずつ言葉を紡いだ。
「たくさんの本を読んで、文章に触れて、英語や中国語を学んで……言語としての日本語というものが、かなり独特で興味深いものだと思ったんだ。今はサブカルのお陰もあって日本語を学びたいっていう外国の人もかなり多いし、そういう人たちに日本語や日本文化を教えながら、仲良くなれたらいいなって思って……」
例えば、タオファさんと親しくなれたように――と言おうとしたが、それは恥ずかしかったので流石にやめておいた。しかし、父は最後まで俺の目を見て話を聞いてくれていた。
「……とにかく、コンビニのバイトと兼業すれば、一人暮らしができるぐらいの収入は得られるはずだから」
「そ、そうなのか?」
「ああ。だから大丈夫だよ、親父。心配しないでくれ」
「……私は別に、お前の心配など……」
「お父サン、ツンデレでスね。シュンヤサン!」
「ああ、ホントにな!」
急に割り込んできたタオファさんの笑顔につられて、俺も笑う。
「なっ、なんだその、ツンデレというのは!?」
「何、ツンデレも知らないの? 時代遅れだな、親父!」
「春夜、父親に向かってそんな口を利くもんじゃない!!」
父がいつも通り俺を叱っても、あはは、と笑い飛ばせる。こういうことができるようになったのも、父とちゃんと話せるようになったのも、誤解が解けたのも、全部タオファさんのお陰だ。
ちなみに、父がサブカルチャーを毛嫌いしていたのは、自分も同じ目に遭っていたからだそうだ。つまり、祖父に漫画を読むと馬鹿になるから止めろと否定され、こっそり買った漫画を勝手に処分されたという辛い過去があったらしい。要するに、自分がされていたことを無意識に息子にもしてしまっていたというわけだ。父は、それについても頭を下げてくれた。
俺は、その騒ぎから一時間後の便ですぐ日本へ帰った。到着したのは深夜だったので、姉貴が予約しておいてくれたホテルで一泊してから帰宅した。
誘拐疑惑は、社長が約束通りはっきり否定してくれたのと、何たって王(ワン)耀(ヤオ)麗(レイ)と田部(たべ)翔(しょう)真(ま)の熱愛報道が効いて、俺がそれ以上SNSで注目されることはなかった。俺はメイクと香水を落とし、カラコンを外して眼鏡を掛け、リラックスした状態で家路を辿った。ドアホンを鳴らすと、母と姉貴が涙を浮かべておかえりと言ってくれた。そして、頑張ったね、信じてたよ、とも。
しかし、全てが終わったわけではない。俺にはまだ、やるべきことが残されている。
そう、織田明姫を告発することだ。
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