俺様、勇者。

ーー丑三つ時、家族全員がスヤスヤと寝ている頃、忍び足で廊下をヒタヒタと歩く不審者の陰が横切る。そして、誰も起きてる住人がいないことを確認してから、そのまま怪しい人陰が台所へと入ってった。


 ガサッ、ゴソゴソ、暗闇の中で誰かが台所の周りを物音を立てながら物色する音が響く。そして、お目当ての物がみつかると、怪しい人陰は暗闇の中で、にんまりとほくそ笑みを浮かべた。


「へへっ、あったあった! チッ、ババアがこんなところに隠してやがったか。どおりで流し台の下に無いと思ったぜ。さーて、そろそろお腹が空いてきた頃だ。ここいらで深夜の飯テロにでもするか、フハハハハッ!」


 そう言って青年はカップラーメンを片手に豪快に笑い、深夜の飯テロへと及んだ。誰もいない台所でお湯を沸かし、そして、出来上がった頃にカップラーメンにお湯を注いでフタをし、シールを貼ってから台所の電気を消して、抜き足差し足で自分の部屋に熱々のカップラーメンを持って静かに戻って行った。そして、自分の部屋に戻ると直ぐに机に出来立てのカップラーメンを置いて、椅子に座りなり啜って食べた。

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