第32話 ボス討伐完了と案の定の奉納
オークキングが消滅していき、その肉体があった場所には魔石が落ちている。
「オークキングの魔石か」
しっかりと確かめたので間違いない。
間違いなくオークキングは仕留められたということだし、売値を確認したら10000Pとかなりの高額だったので嬉しい限りである。
(今のところ俺の方はポイント的に問題ないし、茜達に渡してあっちを強化する方が無難か?)
とりあえず今はインベントリにしまっておくことにする。ショップに売るのはいつでもできるので。
そこで制限時間がきて、魔闘気による強化は解除された。
想像以上にギリギリのところだったが、それでも勝てたのだから今はよしとしよう。
「で、やっぱり出たか」
いつの間にか部屋の地面に魔法陣が出現していた。
恐らく脱出ポイントが出てきた時のように部屋の中の魔物を倒したことが条件となっていたのだろう。
ただこれまでの脱出ポイントの陣よりも大きく複雑な紋様が描かれているが何か違いがあるのだろうか。
(それも試してみないと分からないか)
そう考えた俺は魔法陣に触れてみる。
すると案の定、例の声が頭の中に響き渡った。
『ダンジョンボス討伐及びダンジョン中心部への到達を確認しました。奉納による敵性ダンジョンへの干渉が可能となります』
ステータスカードを見ると、奉納のコマンドのグレーアウトが解除されていた。
これまでの脱出ポイントでもそうだったので、どうやらこの奉納というコマンドはこういう魔法陣の上でのみ使用可能らしい。
そして相変わらず奉納にはHPやMPなどが必要となるらしい。
ただこれまでの脱出ポイントは二万だったのに対して、ここはそれよりも多い二十万という大きな数字を求められたが。
(まあ無限魔力を持つ俺からしたら違いは時間が掛かるだけだけどな)
異世界での経験があるから魔力を流すことなど特に意識しないでもできること。
だから俺は魔法陣の上で座り込み、休憩をしながらしばらくMPを魔法陣に与え続けた。
「御霊石を十個ですぐに完了できそうだけど、ここで使うのは勿体ないからな」
MPだとしばらく時間が掛かるだろうが、別の他の魔物が現れる様子もないのでゆっくりやるとしよう。
ボスも倒したことだし。
その間にステータスカードなどを確認してみると、オークキングを倒したことでランクが2も上がっていた。
またオークキングの大剣もショップで新たに売り出されている。
(やっぱり魔物の武器を追加するのには敵の武器を奪うという行為が必要な感じか)
オークナイトで検証したのだが、槍を持つ個体をただ倒してもショップのラインナップに追加されず、別の個体で槍を奪ったら追加されたのでまず間違いないだろう。
それらを踏まえながら次に何を手に入れるべきか思案する。
(魔物の武器はこの先で追加できそうだし、オークナイトの大剣が使える間は新しいのを買うのは勿体ないか)
だとするとやはりスキルだろうか。
スキルはレベルが上がるほどに必要ポイントも増える。
魔闘気を更に強化するためにはINT上昇を取るべきなのだが、レベルⅦにするためには192000という今の俺の手持ちの大部分を注ぎ込まなければならない。
(それよりは新しいスキルを購入した方がステータスを上げるだけなら安く済むか)
ステータス上昇系のスキルはどれもレベルⅠは3000Pなので、レベルが低い内はそれで強化した方がいいかもしれない。
無限魔力や魔力譲渡を活かすためにはINTが重要なのは分かっているが。
あとは魔闘気のクールタイムももう少し短くしたいところだ。単発の戦闘ならともかく、ダンジョン探索をする上でクールタイムが短ければ短いほど効率が上がるので。
そんなことを考えながらスキルを取得した結果こうなった。
『真咲 譲 ランク9
HP 79/79
MP 0/0
STR 60
VIT 50
INT 124
MND 57
AGI 75
DEX 72
LUC 43
ユニークスキル 無限魔力 魔力譲渡 界渡しの灯 空間跳躍
1000Pスキル
念話レベルⅣ
3000Pスキル
HP上昇レベルⅠ・STR上昇レベルⅠ・VIT上昇レベルⅠ・INT上昇レベルⅥ・MND上昇レベルⅠ・AGI上昇Ⅰ・DEX上昇レベルⅠ・LUC上昇レベルⅠ・身体能力強化・レベルⅡ
5000Pスキル
超聴覚レベルⅡ 魔闘気レベルⅤ
10000Pスキル
インベントリ・レベルⅠ
ジョブ 帰還者 奉納者
保有ポイント 265260P
ショップ
奉納』
大分スキルが多くなって見難くなってきたと愚痴ったら、購入時のポイント別に区分分けできるようになった。
どうやらこのステータスカードを作った存在は何らかの手段でこちらの動向を監視しているらしい。そしてある程度の融通も利かせてくれるようだ。
(それにしてはスキルとかの肝心なことの説明がなさ過ぎだけどな)
念のためそのことについての文句も口にしてみたが、それには何の反応もなかった。理由は分からないがそちらは対応しない、あるいは出来ない感じだろうか。
「まあいいや。考えてもどうしようもないし」
その後も俺は奉納が完了するまで、次にどんなスキルを購入しようかなどを考えるなどして時間を潰すのだった。
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