第7話 春のワルツ

あの日

ふたりの間に流れていたのは

優しい優しいワルツだったね



緑が鮮やかな草原

眩しいほどの陽の光


きみの手を取り

軽やかに

軽やかに

裸足でステップを踏んで


きみの笑顔は

春がこぼれているようで

僕を見上げる瞳は

太陽に負けないくらい

輝いていた



ねえ

あの日は楽しかったね


ねえ

たとえもう

ステップが踏めなくても


あの優しいワルツを

また

ふたりで聴こう



ふたりの元には

あの日のように

明るい春が

降りそそいでいるのだから





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