第3話 満ちた月
満ちた月が
あたしに微笑みかけている
知っているのですね
今日のあたしを
こんなに
こんなに
きみに優しい風を送りたいと
思っているのは
きみが大好きだから
それなのに
何も知らないきみは
あたしに
優しい言葉をくれる
きみは知らないでしょう
今日、きみが
あたしにかけてくれた言葉が
どんなに
あたしを温かくしたか
どんなにか
あたしを幸せにしてくれたか
きみは知らないでしょう
きみの言葉で
あたしが
優しい風で包まれてしまうことを
きみは、知らない
あたしの想いを
あたしは満ちた月に
少し淋しく微笑み返す
あたしと
あの満ちた月だけが知っている
あたしを包む風が
あたしを切なくもさせることを
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