<9>四季
木が紅葉して
季節が過ぎ去り始めた
はらり、はらりと
木の葉は一枚ずつ落ちて行った
一枚一枚重なって
ついには紅葉の絨毯ができた
それが人間に掃除され
またまっさらな地面が見える
冬が来た
木は真っ白に雪で染まって
木の葉は一枚も落ちない
当たり前のことだけど
それをずっと
じっと見つめる
木につぼみができた
優しい色の小さなつぼみ
背伸びをしてもとどかない
もう少し、もう少し…
あっと踏み外す
転んだ先には木の葉の山で
ガサガサと音が鳴った
久しぶりに聞く木の葉の音
何か新しい色を感じた
花が咲いた
綺麗なでも華奢な
それでも可憐な
一言では表せそうもない
そんな花が咲いた
花びらをそっとつまんだ
鮮やかな色が
手のひらの上に乗っかった
夏が来た
花びらは散って
落ちた花びらをよけるゲーム
うっかり踏んだ一つの花びら
ごめんを言って立ち上がる
きれいな新芽がまだあって
「遅い」と声かけ去っていく
こんなふうにして
積もったかと思えば消えて
そのあとずっと忘れて
いきなりそれは開花して
それが散って
それでも新しくできて
ループし続ける君への思いは
一体どうしたらいいんだろう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます