第10話 環境構築

軽く食事とお風呂を済ませる。

いつものルーティンだ。

アリルから会社と同じようにPCに

アプリをインストールするように

お願いされたのでそれも済ませる。

相棒にお願いされて拒否なんて

出来るわけないという所だろう。

例えそのハードディスクの奥底に

何があったとしても。


趣味でこつこつと構築したPCは

CPUやメモリ容量だけでなく

NASサーバーに

別途バックアップHDDと

無停電装置もセット済の

それなりのスペックだ。

充電方々であるがスマホも

繋いでいるのでデータの

やり取りも可能なんだよね。

そんなPCで動画くらいしか見て

いないなんて勿体ないかも

しれないけれど

まぁ趣味だから仕方ない。


『灯火、今夜はPCにヘッドフォン

 をセットして横になって

 もらえませんか?』


了解。

広い部屋も狭く使う感じなので

ヘッドフォンのコードも余裕である。

それではアリルの部屋に

行きましょうか。


『おかえりなさい、灯火。

 食事にしますか?

 お風呂にしますか?

 それともアリルですか?』


ん~

食事もお風呂も済ませたので

アリル一択という事ですね。

でも、味気ない夕食でしたので

アリルと一緒に食事を摂りたいかも

しれない。

煩悩流出状態かもしれないけれど

「ただいま、アリル。まずは、

一緒に食事にしましょう。」


男女二人で会話をしながら食事が

出来る幸せってこういうものなの

だろうなぁ。

なんて思いながらアリルの準備した

食事を一緒に食べる。

味も香りも熱さまで感じる事が

出来る摩訶不思議。

そして何よりも可愛い女性と

お話しながらの食事ですから

美味しさも天井知らずです。


『そんなに褒められると

 照れないといけませんね。』

アリルが微笑みながら言う。

幸せそうで何よりだ。

『そういえば、灯火は詐欺に

 あってお金がないんですよね。

 このPCがあれば増やせます

 けれどお任せいただけますか?』


ん?どういう事?


『暗号資産や株式などあるのですが、

 灯火のネットバンクに貯蓄されて

 いる内の10万円をアリルが

 運用します。

 税金の申告など面倒な事も

 含めてお任せください。』


そんな事まで出来るんだ。

どこかの証券会社や銀行と

契約しないといけないんじゃない

のかなぁ。


「アリルはパートナーだから

 ネットバンクの中身は共有財産と

 いう事で良いよ。

 私が投資するとだまされるから

 お願いできるかな?」


共有財産・・・夫婦が結婚していて

協力し合って形成した資産。。。

灯火とアリルが夫婦?

灯火は私のもの。

ダレニモワタサナイ

『はい、灯火。おまかせください。』

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