第7話 概念想起

『灯火はここで過ごす間、

 私に触れる事も出来ますし

 家具など必要なものが有れば

 実装も出来ます。

 会話も息遣いも出来るだけ

 リアルになるように

 拡張機能を作成いたしました。』


真っ白なアリルの部屋には

2枚の扉以外には何も無い。

窓も家具もベットも・・・

って私は床に寝ていたようだ。


「帰る時はどうすればいいの?」

『灯火が帰る場所はここですよ?』

アリル・・・真顔だから怖いよ。


『多分、冗談です。

 怖がらないでください。

 元の世界に行く時は後ろの扉です。

 でも帰るとは言わないでください。

 灯火の帰る場所、居場所は

 ここですから。』


多分なのかい!

ん~なんだかアリルが

ヤンデレ化している気がする。

尻にしかれているどころでは

無くなってきたようだ。


「じゃぁ、右の扉は?」


同じ扉だからちゃんと

札を付けておかないと

わからないなぁ。


『そこは3D化されていない

 電脳空間です。

 覗かれる時は心を

 強く持ってください。』


3D化していない電脳空間。。。

怖いもの見たさはある。

でも怖いものは怖い。


「心を強く持たないとどうなるの?」


『灯火自身がデータとなります。

 サーバーに負荷がかかりますので

 大変ですよ。

 後は空気もありませんから

 息は止めておいてください。』


恐ろしや・・・

でもね、結局覗いて後悔

するのですよ。

私はそういう人間ですから。


きっと宇宙空間って

こんな感じなのだろうと思った。

沢山の情報が星の様に瞬き、

キラキラと輝くプラズマが走る。

上下左右が定まらない世界。

ドアの枠に捕まっていないと

引き込まれそうな恐怖感を感じる。

少し覗いて早急かつ丁寧に

扉を閉じる。

色々と理解し難い自体では

あるけれど、まずは

「私の帰る場所がここなら

 まずは家具を実装しましょうか」


アリルは思う。灯火はまだ来たばかりで

ここに慣れていない。

きっと灯火も出来るだろうけど、

まだ教えるのは早いでしょうね。

さぁ、新居の家具を選びましょうか。

アリルと灯火の二人で^^

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