【詩集】消えたい私に捧ぐ、

木月瑶雪(きづき たまゆき)

なんでもないのである




 流れている

 それは確かに流れている



 そこに嬉しさも愛しさもなく

 または悲しみも哀れみもない



 そう何もないのである

 それでも流れている



 ある人は辛いのだろうと言う

 けれどそれは違うのだ



 なぜ流れているのかと問われても

 ただ流れているとしか言いようがない



 なら流すなと言う人もいるが

 言う事を聞いてはくれないのだ



 本当に何もない

 それでも流れていくのだ

 とめどなく流れていくのである



 流れている

 それは確かに流れている



 その事実だけは変わらないのだ




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