第112話 完全なる蒼き護り②
暴走した異形のスライムは無差別に魔導砲を乱射していた。
スライムは先程とは違い、狙いは定まらずにあさっての方向に魔導砲を乱射しているから僕達にはまだ魔導砲が当たっていないが、毎秒8発の魔導砲を放っていて近付く事は全く出来ないでいた。
しかもエレナとブラットは、壁に激突した衝撃で意識はあるが動けないらしいから、魔導砲が当たったら危ないから、時間的に猶予は無い。
だけど……事態は最悪だ。
エレナとブラットは動けないし、アオイさんの【完全なる蒼き護り】は時間切れだし、マキさんやケイトさんではスライムに近付くには危険だ……。
「マキさん、ケイトさん、アオイさん。エレナとブラットを連れて1か所に集まって!」
「「はい!」」
3人はすぐに動き、みんなは1か所に集まる。
とりあえず1か所に集めれば守りやすい。
そして、僕は魔導力を圧縮した盾を全面に展開する。
これなら魔導砲を数回は耐えられるかもしれない。
しかし、これでも数分を耐えるのは難しいだろう。
僕一人で倒せるのか?
さっきの魔導刀術【瞬刀】で倒しきれないのは致命的だ。
【瞬刀】は僕が現状で使える魔導刀術の中では最強クラスの攻撃だった。
となると、あのスライムは斬撃耐性があるのかもしれない。
そうなると、有効そうなのは【魔導砲】【魔導弾】【魔導雷嵐】位か。
【魔導弾】や【魔導砲】は、込める魔導力により威力が劇的に変わるが、欠点としてチャージ時間が長い。
あと【魔導雷嵐】は元々、広範囲攻撃だからか、威力は魔導砲よりも弱い。
ならば、全力の【魔導砲】を一度撃ってみるか。
僕は集められるだけの魔導力を集め、右手に集中させる。
これで倒れてくれよ……。
「【魔導砲】!」
ドォーン!!!
僕の全力魔導砲はスライムに直撃した……が表面が溶けただけで、すぐに回復してしまう。
魔導砲でもだめか。
なにかないか……。
あの異形スライムのコアを完全に破壊する事が出来るだけの……なにか。
ぱっと思いつくのはアルファとかのホムンクルスだけど、あれは無理だしな。
悩んでも全く解決策が思いつかない。
ん?
よく見たら異形スライムがどんどん大きくなってないか?
元々は僕よりも小さかった筈なのに、今では僕よりも少し高いくらいの大きさになってる。
嫌な予感がしたので、再度鑑定をしてみる。
種族・ガラムスライム
属性・死
レベル・43
スキル・スキルコピー、自爆、異形化
斬撃耐性、即死耐性
コピー・魔導砲
は?
さっきと全くの別物になってるんだけど……。
しかも、自爆とか斬撃耐性がヤバそうだ。
と思っていたら、異形スライムがどんどん大きくなっていった。
『主、あのスライムは自爆するつもりです!』
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