第84話 妖剣ツヴァルト➂

ポムッ、ポムッ……


僕とエレナは不思議な打撃音?を聞きながら模擬戦をしていた。


エレナの持つ妖剣ツヴァルトという2振りの木剣は、自分で作っていてなんだが、不思議過ぎる木剣だった。


というか僕が作る木剣は、ことごとくおかしい。


ポムッ、ポムッ……


このツヴァルトも、性能欄に斬撃無効とあり、最初は装備者が斬撃を受けても無効にしてくれる無敵武器かと思い、エレナに良いなと思ったが、実際は違い……ツヴァルトに関連した戦闘時には斬撃無効になるというもので、僕のナイトメアソードの斬撃も無効化されるし、エレナの斬撃も無効化され、体力が無くなるまで無限に模擬戦が出来てしまう恐ろしい武器だった。


そんな訳で、既に1時間は連続して模擬戦していて、致命傷になるレベルのヒットがかなりの回数あったが、未だに無傷で模擬戦が続行出来ていた。


「ふぅ、そろそろ休もうか」


僕はそろそろ腕が限界になってきたので、エレナに休憩を提案する。


「そうにゃね……」


エレナも疲れていたのか、僕の声を聞き、すぐに腕を下ろす。


「その双剣はどう?」


「このツヴァルトは気に入ったにゃ。使いやすいし、ずっと打ち合いが出来るのも面白いにゃ」


「まあ、斬撃がどこまでの範囲なのかとか調べないと分からないけどね」


今はスキル無しで単純に打ち合っていたけど、属性スキルを使うとどうなるのかとか、わからない。


ちなみに、突きに関しては斬撃無効が効いていたし、ナイトメアソードを投げてみたが、それも斬撃無効が効いていた。


当然、武器を持ちながらの蹴りはダメージが入ったが、武器を持ちながらの拳や肘は斬撃無効の対象だったりと、勝手な思い込みで斬撃無効だから大丈夫とか思ってると痛い目に合うかもしれない。


「あとSPとか【真素】は分かる?」


「分からないにゃ。レイは分かるにゃ?」


「SPに関しては分からないけど、【真素】は分かるよ。でも【真素】は今の所、僕にしか見えてないんだよね」


「そうにゃ?」


僕は試しに【真素】を集めて凝縮してみせたが、エレナには見えなかった。


しかし、見えないが何かがありそうと言うものは感じられたらしい。


武器の成長ってあるから、成長したら何かわかるのかもしれない。




そろそろ木刀を作るのも止めようかなと悩み中なんだよな……ちなみに、ブラットにあげるつもりで作りかけている大剣は外の物置に置きっぱなしである……そう言えば、木刀の材料である木材は全てエリーさんから貰ったものなんだよな。


エリーさんはどこから持ってきた木なんだろう?

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