第77話 マキ

ケイトさんが剣に魅了中という状態異常?はしばらくすると無くなり、元通りになったので、僕はケイトさんをブラットに任せて家に向かう。


マキさんにも手作りの木剣を渡してるんだけど……大丈夫かな?


今からでも回収した方が良いのかな。


でも渡した時には何ともなかったし……きっと大丈夫だろう。


あと、マキさんに剣術を教えるって約束しちゃったけど……僕が使えるのは刀術だし、魔法剣を使った戦い方を見たこと無いから、どう教えれば良いんだろう。


まあ、基本的な部分を教えれば良いのかな?


僕はどうやったら良いかを考えながら帰宅した。





「レイ。マキさんが来てるけど、約束したの?」


「え?」


今日はなんの予定も無いから、フローラと自家製ピアノで遊びながら過ごそうと思っていたから、朝早くにお母さんに起こされ、なんの事かよく分からなかった。


「約束はしてないけど……今、来てるの?」


今は朝というか夜明け位の時間なんだけど……まさか、今から剣術の特訓をするの?


「そうよ、なんかおおきな荷物を持ってきてるけど、今日遊びに行く約束をしたんじゃないの?」


「いや、剣術を教えるって約束はしたけど……いつとは約束してないんだよ」


「……レイ、明らかに剣術の特訓をする荷物の量じゃないわよ? 本当はどこかに遊びに行く予定だったんじゃないの?」


「ええ……??」


いや、本当に知らないんだけど……


「とりあえず玄関に行くよ」


僕は急いで寝間着から普段着に着替えて玄関へ向かう。


「あっ! レイくん! 早速きたわ!」


「うわっ、本当に凄い量……」


マキさんの腰までありそうな大きな鞄を2つも持ってきていた。


ってか、あの理由を一人で持ってきたのか?


実は僕よりも力があるのか……いや、それよりも。


「その荷物はなんなの? それに特訓にしたって早過ぎない?」


「え? 私はいつもこの位には起きてるわよ? あと、この荷物は1週間分の服よ」


「……え? 服?」


1週間分の服ってなんだ?


僕は全く理解出来ず、混乱していると……


「だって、当分は剣術の特訓でお世話になるんだから、1週間分は必要でしょ?」


「え、は? 特訓でお世話って……うちに泊まるつもり!? しかも、1週間も!?」


「うん、だって特訓と言ったら泊まり合宿だってパパとママが言ってたもん!」


「いやいや、特訓と言ったって、家から通えばいいじゃん! 同じ町に住んでるんだし! それにうちには泊まれないよ」


「えっ! 泊まれないの!?」


「うん、うちには空いてる部屋は無いからね」


僕ですら一人部屋はなく、フローラと一緒に寝ているくらいなんだし、誰かを泊まらせる空き部屋は家にはないのだ。


「ええ……それは困る」


僕が空き部屋は無いと伝えるとマキさんは涙目になる。


「なんで?」


泣くほどのこと?


「だって、パパとママは1週間旅行に行っちゃったから……私一人だと……」


「……」


マジかよ。




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 名前・マキ

 属性・闇

 職種・魔法剣士

 パッシブ・ダークネスカリオン

 アクティブ・初級魔法剣術、闇魔法剣


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