第70話 召喚士ケイト

【ケイト視点】


「ケイト、今日も修練所にいくのかい?」


お母さんは私が修練所へ行って怪我をしないか、凄く心配してくれる。


「うん、大丈夫よ。マキと一緒だし」


私はマキと家が近いからかいつも一緒にいて、職種を貰ってからは一緒に修練所へも行っていた。


親にはマキから誘われて修練所へ行っている事になっているけど、本当は私から修練所で強くなりたいと話したら、マキも一緒に強くなってくれると言ってくれたのだ。


とは言っても、マキは魔法剣士として強いけど、私は召喚士というよく分からない職種で、何かを呼び出して戦わせたりするのは分かるけど、まだ何も召喚出来ないので私はどうやったら強くなれるの?


「おまたせ、マキ」


私がマキとの待ち合わせ場所へ向かうと、既に到着していたマキが木剣で素振りをしていた……私にも木剣を扱える力があれば良かったのに。


「あっ、ケイト! 私は全然待ってないわよ」


「ありがとう」


汗をかいてる感じからして、今来たばかりではない気がしたから、マキの優しさに感謝する。


「ふふ、それでケイトはなんで修練所で強くなりたいの? ケイトは絵本を読むのが好きだったじゃない。私みたいに強くなりたいと思ってるなんて、知らなかったわよ」


「理由は……恥ずかしい……」


「え〜、なんで? 私は絶対に笑ったりしないから、教えてよ〜」


「……絶対に笑わない?」


「うん、絶対に笑わないわ!」


「理由はこれ」


私はマキにいつも持っている絵本を見せる。


「え? 絵本?」


マキは絵本を見て不思議そうな表情で首を傾げる。


「らいていでんせつ……」


「ん? らいてい?」


「私はこの雷帝伝説に出てくる主人公の雷帝みたいに強くなりたいの」


私のママが雷帝ファンで、私に読んでくれる絵本は全て雷帝伝説シリーズで、ずっと雷帝伝説を聞いていたら、私も雷帝ファンになっていた。


私もいつかは雷帝みたいな冒険者になりたいと思う様になったけど、私はマキみたいに力が無いから諦めていたけど……職種が戦闘系の召喚士になってから、また冒険者になりたいなぁと思った。


「雷帝ってあの有名な竜を倒したっていうやつ?」


「うん! 雷帝レオンっていう英雄だよ! 私も冒険者になって雷帝レオンみたいに冒険したいの!」


私はマキに雷帝伝説に出てくる雷天竜を倒した話や湖を作った伝説などをいろいろ話した。


「へぇ~、私は冒険者って考えてなかったけど、ケイトの話を聞いたら、私も強くなってみたくなったわ」


「そうでしょ!」


「よしっ! それじゃあ、冒険者を目指して頑張ろ!」


「うん!」





それから4日後、私達はレイくんとブラットくんから模擬戦をやろう言われて私達は……。

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