第20話
夜になると黒川社長は建設会社〇〇組の工事責任者や監督達を食事に誘った。
黒川社長
「崎村部長(今回の工事責任者)、今日も一日お疲れ様でした。お陰さまで1000㎡の整地が出来ました。ありがとうございます。お酒のほうも存分にやってください。」
崎村部長
「ありがとう。こんなに歓待を受けたのは久しぶりだよ。仕事をするのは当たり前の事なんだが、人間がやる事だから、段取り良くできるのも、そうで無いのも気持ちの問題って処も有るからねえ。いや、貴方達に要求してる訳じゃないから誤解の無いように。今夜は愉快だよ。ご馳走さま。」
黒川社長は心の中でガッツポーズを決めた。
黒川社長がホテルへ帰った後に、プロジェクトの世話人から連絡が入った。
「黒川社長、建設会社〇〇組の若い監督の一人がハメを外して夜の街に出たらしいんですが、通りすがりの女性に痴漢したとかで警察に世話になってるらしいです………。」
黒川社長は、直ぐに葉山の警察署に向かった。
警察官
「身元引き請け人かい? 困るんだよねえ今回のような事件を起こしてくれると。まあ女性は表沙汰にはしなくて良いって言ってるんだが。」
黒川
「どうもスミマセン。その男性と話をする事は出来ますか?」
若い監督(仮称A)
「おい!何が悪いんだ!あんな時間に透け透けの服なんて着やがって、痴漢してくださいって言ってるようなもんだろ!こんにゃろうめ!」
黒川
「おい!随分とご機嫌じゃねえか?オマエ、社会人なんだろ?会社の看板も背負ってるんだろうが?痴漢して良い訳無いだろうが!寝言は寝てから言いやがれ!オマエが今建設しているレジャーランドは地域の人の希望の光なんだよ!それなのに、こんな事件を起こしてくれたら、印象が悪くなっちまうだろうが!
仕事するのがイヤならとっとと帰りやがれ!二度と現場に顔出すんじゃねえぞ!こちとら命がけで工事をやってるんだ!それでも邪魔するなら刺し違えてでも止めてやるぞ!どうなんだ?返事をしろ!」
そこへ建設会社〇〇組の工事責任者(崎村部長)が駆け付けてきた。
(仮称A)
「部長、この人誰なんですか?俺に説教するんですが……。」
崎村部長
「オマエに給料を払ってくださっているお客様だよ、グレートブリテン・テクノブラッシュアップ社長。
どうだ、工事現場では監督だが、一歩外に出りゃあ、一人の人間でしか無いんだ。
夜道であっても女性に痴漢して良いと誰に教わったんだ?
何日も警察署に拘置されて頭を冷やすか?訴えられて人生を棒に振るか?」
黒川
「なあ君、家族は居るのかい?天涯孤独なのか?それなら自由に生きれるな。何をしようが、罪を犯そうが、誰に迷惑を掛ける事もない。だが、親兄弟、親戚が居るなら、君が極悪非道の人間に成れば迷惑が掛かるよな。
親っていうのはなあ、子供の為なら命も捨てられるんだ。そうやって育てた子供が極道になってみろ、悲しいだろ。手遅れに成らねえうちに全うな人間に戻るんだな。
酒には気を付けろよ、『酒は飲んでも呑まれるな!』だ。」
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