第17話

社員の田代

「黒川社長、スゴい情報を入手したのですが……!」


黒川

「ああ、裏世界の秘密の会合での私の評価と葉山のレジャーランド建設の事だろ?」


田代

「地獄耳ですね、その筋の内通者が居るって事ですか? 流石です。」


黒川

「その会合の為に私が動かなかったと思ってるの?

随分カネを撒いたんだ。その以前からだがな。

ざっと1億。それくらい撒かないと……話なんか、まとまりゃあしないよ。」


田代は、1億と聞いて口が塞がらないといった様子だ。


黒川

「それに神奈川のドンと呼ばれた斎藤組の会長は小学校からの私の子分でね、随分口添えと協力をしてくれたんだ。」


田代

「あの泣く子も黙る斎藤組の会長ですよね……?」


黒川

「斎藤君は、名前がノブヨシでね、『ノブ!ノブ!』って、よく使いっ走りにさせたっけ……。それを怨んで無いか確かめてね、今回も合意したって訳なんだ。ノブの処だけで5000は使ったよ。

そのカネをノブだけが使う訳じゃ無いんだ。親分子分、兄弟関係でカネを分けるのさ。それが彼らの挨拶だからね。それでカネが要るって事だな。」

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