第3話
田代
「黒川社長……帰り際に持ってきた手土産をそっと置いてくるのには、感服しました。あの吉川氏も大きく頷いて感服した様子でしたから。あの……いくら包んで来たんですか?」
黒川社長
「田代君、何事も勉強やな。さて、いくら包んだと思う?」
田代
「そうですね……300位ですか? その辺が相場では無いかと。」
黒川社長
「ふっ……甘いな。あの吉川氏のバックには、それ相当の組織が暗躍しているよ。下手に機嫌を損ねると事件や事故に巻き込まれるだろう。それに吉川氏も一人じゃ無いんだよ、きっと数十人の住民のリーダーを束ねている。
そうだな、これだけで、ざっと2000は下らんよ。」
田代
「にっ!……2000ですか!」
黒川
「そうさ、人を見る時には、その背後関係も見ないとな。それに、このプロジェクトが成功すれば、大きな収益も望める。そのくらいの金はハシタ金って事だよ。」
田代
「まだ土地の買収も進んで無い時点での出費ですが……大丈夫でしょうか?」
黒川
「なあに、私には、もう見えてるんだよ。成功するか、どうか。それには、いくら投資しないといけないか……って事までね。まあ、高けりゃ良いっていうモノでも無いんだ。やはり相場が有るんだよ。」
田代
「相場……ですか、私のプロデュース力など、まだまだ……っていう処ですね。」
黒川
「いや、値頃感とか実践力とかは経験を積めば身に付くからさ。気を付けないといけないのは、それなりに、どの世界でも『ルール』っていうモノがあるからさ……それをナイガシロにしない事だよ。」
田代
「今日も勉強に成りました。精進します。あと、社長は、これからご予定が?」
黒川
「んっ?気になるかい?まだレジャーランドの段取りは始まったばかりさ、ヤれる事は山積みだよ。
そうだな……レジャーランド事業で成功してる有名社長の所へ話を聞きに行っても良いしな。
異業種の人物と会って話するのも良いしな、誰と会っても無駄は無いよ。」
田代
「社長、私もご一緒しても良いですか?」
黒川
「ああ、モチロンだよ、私だけがスキルを持っていても……仕方がないからね、次世代の人を育てないとな。」
田代は黒川社長に無限の可能性を感じるのだった。
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