第20話 カラオケリクエストはじめました。

「新メニュー投入します!」

「待ってました!」


 あたしの掛け声に、アゼルは元気よく答えた。

 新メニュー発表がアゼルの楽しみになっているようだ。


「カラオケリクエストです!」

「やったあ!」


 アゼルは喜んでいるが何のことかわかっているんだろうか?


「え? アゼル、カラオケが何か知ってるの?」

「いや、知らないねぇ」

「どうして喜んだの?」

「なんかね。もう、ここまで来たら、またすごいものが出てくるんだろうなって思って」


 えー。

 なんか適当な。

 でも、アゼルの笑顔を見ていると許せてしまう。


「カラオケリクエストは、お客様からメイドさんに歌をリクエストしてもらって、メイドさんが歌うんです」

「へー。それはいいね。曲は僕が演奏しよう」

「え? アゼル楽器がひけるの?」

「うん。自分でもひけるんだけど自動演奏するように魔法を使うよ」

「ええ! すごい」


 アゼル、いよいよ、何者?

 



※ ※ ※ ※ ※




 カラオケリクエストは1曲500デジにした。

 カラオケリクエストは原価が、かからないので利益率はとても良かった。

 けど、カラオケリクエストが出ると、みんな歌を聞いてチェキやオリカクを出す時間が無くなるので、その点が問題かもしれない。

 まだまだお客さんの数は少ないので、今後の課題かなぁ。


―――――――――――


9月14日(土)


メイド喫茶『オスティウム』


 料金 1時間1980デジ 延長30分ごと950デジ


 売上

  日別 47100デジ

  月別 47100デジ

  年別 209740デジ


 席数

  28席

  カウンター 6

  テーブル 24


 メニュー

  オムライス(メイドのお絵かきあり) 1000デジ

  オリカク  1500デジ

  チェキ   800デジ

  初心者セット1500デジ

  カラオケリクエスト 1000デジ


 メイドの心得


  メイドの心得1。

  お客様のプレゼントに遠慮はしない。代わりに全力で喜ぶ。

  メイドの心得2。

  お客様の事は、お客様から話をされるまでは詮索しない。


―――――――――――

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