第49話 迷宮ボス討伐 後編

ジャイアントスパイダーが黒い霧になって消えていくと、ジャイアントスパイダーの糸も消えていく

「キリーアお姉ちゃん」

セリーナが倒れているキリーアを見て叫び近付いていく

「セリーナちゃん…スパイダーは?」

キリーアが周囲を見ている

「御父様が怒って倒しました」

セリーナが笑顔で言うと、レニスとフィーネもキリーアの元に集まっている

「御父様強すぎます…スパイダー嫌いになりそうです」

キリーアが苦笑いしている

「キリーア無事だったか? ラドルスの仇は取ったからな」

アーレルが笑顔でやってくる

「勝手に殺さないで下さい!! まだ生きてます」

ラドルスが起き上がり叫ぶ

「生きていたのか? 本気で倒さなければ良かったか? 折角のボス戦なのに…経験にならなかったか?」

アーレルがラドルスを見ている

「ボスはまだ早いと解りました」

ラドルスが慌てて言う

「お兄ちゃん怪我してますか? 回復魔法使いますか?」

セリーナが嬉しそうに言う

「セリーナ嬉しそうに言わないでくれ」

ラドルスが慌てて言うと、ミーナとケントが笑っている


ラドルスにセリーナが回復魔法を使っていると、ミーナとケントがアイテムを拾って戻ってくる

「鞄と結晶です」

ミーナが笑顔で見せている

「ダンジョンコアだか…まだまだ小さいな…鞄はキリーアとケントどっちが持つか?」

アーレルがキリーアとケントを見ている

「前衛よりも盾役が持っていた方が良いです!! 自分でポーション使えた方が役に立ちます」

キリーアが慌てて言う

「ケント持っていてくれ」

アーレルが笑顔で差し出す

「え! 決定ですか!!」

ケントが慌てて言う

「仕方無いだろ? いつかは全員分集まるだろう…帰るぞ! 迷宮から出ないと閉じ込められるぞ」

アーレルが笑顔で言うと、揺らぐ空間の方に歩いていき、全員がそれぞれ手を握り、空間に入っていく


迷宮の出口に出ると、冒険者達が驚いたようにアーレルを見ている

「帰って寝るぞ」

アーレルが笑顔で言うと、宿屋の方に歩いて行こうとすると、冒険者ギルドの職員達が慌てた様に走ってくる


何人かの冒険者が出てくると、急に光輝き迷宮の入口が消えていく

「迷宮が閉じた」

冒険者達が唖然と見ている

「アーレルさん!! 何をしたのですか!」

職員がアーレル達を見て叫ぶと冒険者達がアーレル達を見ている

「ん? ボスを倒しただけだぞ! 疲れたから帰るぞ」

アーレルが笑顔で言う

「はーーーーーーーー」

冒険者達が一斉に叫ぶ

「アーレルさん冒険者ギルドに報告を」

「明日で良いだろ? 疲れたぞ」

「兎に角報告を」

「だからボスを倒したぞ! 報告をしたから帰るぞ」

アーレルが笑顔で言うと、宿屋に向かって帰っていく

「はーーーー! 帰った!! 冒険者なのに何を考えている!!」

職員が大声で叫び、冒険者達が苦笑いしながらアーレルを見送っている


翌朝アーレルが食堂に降りていくと、冒険者ギルドマスターや兵士が待っている

「アーレル殿冒険者ギルドで話が有ります」

冒険者ギルドマスターがアーレルを見て言う

「食事終わり、準備が出来たらな」

アーレルが興味なさそうに言うと、ラドルス達が苦笑いしている

「なるべく早く」

「寝起きだ! 早くご飯を食べさせてくれ」

アーレルがミーナ達を見て言うと、宿屋の主人が料理を運んでくる


食事をしている間冒険者ギルドマスター達は立って待っている

「何を聞きたい?」

アーレルが食事を終わらせると、冒険者ギルドマスターを見ている

「単刀直入に聞きますが、迷宮ボスを倒しましたか?」

ギルドマスターがアーレルを見て聞く

「蜘蛛なら倒したぞ! これがアイテムだ」

アーレルがダンジョンコアを出して言うと、冒険者ギルドマスターがダンジョンコアを見ている

「もっと詳しく」

ギルドマスターが戦いの詳細を聞く

「ミーナ、セリーナ任せたぞ」

アーレルが興味無さそうに言う

「あのね、ラドルスお兄ちゃんとキリーアお姉ちゃんが糸に捕まり、御父様を怒らせて、御父様が滅多斬りにして倒しました」

セリーナが笑顔で説明していると、ミーナも付け加えながら説明している


説明を聞いて呆然としながら冒険者ギルドマスターが考え込んでいる

(ジャイアントスパイダー! あれを倒せるのか? 全員Dランクだったはず…DランクがAランクのモンスターを倒せるのか? その前にジャイアントマザーアントはSランク級のモンスターだぞ!! 何を考えている!! 本当にDランクなのか? アーレル殿の子供も既にAランクの実力では…)


「アーレル殿、ランクアップをします」

冒険者ギルドマスターがアーレルを見ている

「Dランクの冒険者で良いぞ!! セリーナとフィーネとレニスを危険に晒したくない」

アーレルが笑顔で言うと、兵士達が一斉にアーレルに視線が集まる

「迷宮を潰してランクがDランクなんて認められません」

「嫌だな! もう一度最初からやり直すか?」

アーレルが笑顔で言うと、ミーナ達が笑っている

「は? 兎に角ランクアップを」

「嫌だな! 明日には村を出るかな? ランクアップはしないからな!」

アーレルと冒険者ギルドマスターの言い合いを兵士達が見て呆れている

(ランクアップ拒否か? 拒否は出来るが…初めて見たな…これで良いのか? 迷宮を潰せる人がDランクなんて… 無理にあげれないから説得は必要だが…宿屋で話す内容か? 噂になるぞ)


冒険者ギルドマスターが諦めて帰っていく

「御父様何しますか?」

セリーナが笑顔で聞く

「食材が欲しいな…次はどこに向かうかな?」

アーレルが笑顔で言う

「アーレル殿、外を出歩かない方が良いぞ! 買い物にならないだろう」

宿屋の主人が苦笑いしている

「迷宮を潰したから、村人から恨まれているか?」

「恨む? そんな訳無いだろ? 静かな村に戻るだけだ! それよりも食材なら手配してやろう」

宿屋の主人が笑顔で言う

「御父様相談しておきます」

ミーナが笑顔で言うと、宿屋の主人と相談をしている

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