第43話 アーレルと鍛冶師

翌朝、宿屋を出ると鍛冶屋に向かって歩いていく

「ん? やっと来たか」

鍛冶屋に入ると、主人がアーレルを見て言う

「昨日結構剣を酷使したから、手入れを頼む」

アーレルが笑顔で剣をカウンターに置く

「手入れか? 引き取りに来たのではないか?」

鍛冶屋の主人が笑いながら言う

「引き取りに? 何だったか?」

アーレルが考え込んでいる

「もう御父様、剣を作って貰ってました!! 御父様忘れすぎです!!」

セリーナが両手を腰に当てて、アーレルを見て言うと、ミーナ達がセリーナの姿を見て微笑んでいる

「あ! 玉鋼の武器か? 忘れていたな」

アーレルがセリーナを見て思い出したように言う


「これだ!! どうだ?」

鍛冶屋の主人が剣を持ってくると、カウンターに置き、アーレルが手に取って剣を鑑定している

「中々良い剣だな…良い腕だな」

アーレルが剣を鑑定しながら笑みを浮かべながら言う

「気合いいれたからな!! また玉鋼手に入れたら持ってこい」

鍛冶屋の主人が笑いながら言う

「そうか? じゃあ頼む」

アーレルが笑顔で言うと、アーレルとセリーナの魔法の鞄から袋を出してカウンターに置いている

「は? この袋は…玉鋼か? もう持ってきたのか?」

鍛冶屋の主人が苦笑いしながら袋の中身を見ている

「ラドルス、キリーアも武器の手入れを頼んだ方が良いぞ」

アーレルがラドルスとキリーアを見て言うと、ラドルス達が次々と剣を置いている


「嬢ちゃん達の短剣はまだまだ手入れの必要は無いな…この3本は、結構痛んでいるな」

鍛冶屋の主人が剣を見ながら言うと、セリーナ達の短剣を返している

「ちょっと武器が足りなくなるから、見せて貰えるか?」

アーレルが置いてある武器を見ながら言う

「ここに良い物はないぞ! 下手な奴に売りたくないから、奥に置いてある」

鍛冶屋の主人が笑みを浮かべて言うと、奥に案内している。部屋に沢山の武器が置いてある部屋に案内されると、アーレル達が武器を見て回っている


「ラドルス、これが良いな」

アーレルが大きな斧を持ってラドルスに手渡している

「え? 重い…」

ラドルスが両手で持って苦笑いしている

「鍛練には良いだろう? キリーアはバスターソードだな」

「大きくて使いにくいような」

キリーアが苦笑いしている

「両手で振れば同じだぞ!! 素振りしてみたら良いぞ」

アーレルが笑顔で言うと、キリーアがバスターソードを持って中庭に向かい、素振りを始めている

「リーシアも両手剣をそろそろ練習するか? 握力がまだまだ無いから、細身の両手剣無いか?」

アーレルが鍛冶屋の主人を見ながら聞く

「これか?ロングソードだが、少し細く作ってある」

鍛冶屋の主人が笑いながら持ってくると、リーシアが受け取り、中庭に出ていく


「御父様、この斧本当に使いこなせるのですか?」

ラドルスが苦笑いしている

「雑魚相手に戦うなら良いだろ? 鍛練だからな」

「戦う用の武器で無いのですか?」

「ん? 大剣欲しかったか? 先にそのぐらいの重さになれてから、大剣を使った方が良いぞ」

アーレルが笑顔で言うと、ミーナ達が爆笑している

「御父様…依怙贔屓してないですか?」

ラドルスが苦笑いしている

「ラドルスは何でも使えこなせるぞ!! そろそろ闘気の鍛練もした方が良いか? 素手でも戦えるのだから」

「は? 素手で!!」

「筋力が必要だがな!! 頑張れ!! 明日は素手で戦うか?」

「は!! 御父様!! せめて剣を使わせて下さい」

「その斧で良いだろ? 嫌なのか?」

「ラドルス、文句言うと素手になりますよ…鍛練頑張りなさいね」

ミーナが笑いながら言う

「昨日も剣を折ったからな… 頑張れ」

ケントも笑いながら言う

「剣を折ったのか? さっきの剣も痛んでいたが…」

鍛冶屋の主人が苦笑いしている

「腕力が有るからな…並みの剣では強度が足りなくなっている…太刀筋がまだまだ未熟だからな…剣が持たない」

アーレルが笑いながら言う

「それで丈夫な斧か!! 利に叶っているな!! 幅広い大剣を作るか? …丁度良い剣が有るぞ」

鍛冶屋の主人が笑いながら棚をあさって、大剣を持ってくる

「は? これ剣ですか?」

ラドルスが苦笑いしている。視線の先に普通の剣の3倍の幅の剣がある

「シャルテットか? 丈夫そうだな…これなら斧より良いか?」

アーレルが笑顔で言うと、ラドルスが持って苦笑いしている

「御父様…背丈よりも長いのですが…」

ラドルスが苦笑いしている

「そうだろ? こっちだな」

鍛冶屋の主人が笑いながら別の剣を見ていると、ラドルスが持って苦笑いしている

「剣を振ってこい」

アーレルが笑いながら言うと、ラドルスが剣を持って中庭に出ていき、剣を振っている


「主人、あのぐらいの大きさの剣を作ってくれ!! 後は長剣と片手剣が必要だな」

アーレルがキリーアとリーシアを見ている

「才能が有るのだな!! 楽しみだ!!」

鍛冶屋の主人が笑いながらアーレルを見ている

「足腰もっと鍛えた方が良いがな!! 使いこなせる様になれば、昨日の大群も余裕に倒せるだろう」

アーレルが笑いながら言う

「玉鋼が足りないぞ!! もっと用意してくれ」

鍛冶屋の主人が笑いながらアーレルを見ている

「作れる物から頼む」

アーレルが笑みを浮かべていると、ミーナとケントが苦笑いしている

(毎日アントの大群を殲滅すると言いそうな…ラドルス、キリーア頑張って怪我しないようにしなさいよ)

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