第30話 ウルフ討伐へ 中編

大きな角が有るウルフが、ラドルスに飛び掛かり、ラドルスが押し倒され、ウルフが噛み付きにくると慌てた様に腕で口を受け止めて、ウルフは腕を噛み付き、ラドルスは痛みに耐えている

「ラドルスお兄ちゃん!!」

セリーナが慌てた様に叫ぶ

「アクアカッター」

ミーナが魔法を放ち、ウルフに当たるが効果が無く、ミーナも慌てている


「おい! 腕は旨いか?」

アーレルがウルフを睨んでいると、ウルフは前足でラドルスの顔を引っ掻いている

「そうか、そうか…旨いか? 拳骨はどうだ?」

アーレルがウルフに接近して、ウルフの頭を殴り、ウルフの頭から骨が砕ける音と共に体液が流れて、ウルフはそのままラドルスの上で絶命している。ミーナが驚いた様にウルフを見ている

(御父様…腕が旨いかなんて…あの大物を拳骨一発で倒すなんて…強すぎます…)


「う…………」

ラドルスがウルフの重さに必死に退かそうとしている

「ウルフは全滅か? キリーア、ケント生きているか?」

アーレルが周囲を見て言う

「あはは…」

キリーアとケントが肩で息をしながら、から笑いしている

「ミーナ、適当にウルフを捌いて、食事にするか?」

アーレルが笑顔でミーナを見ると、セリーナとフィーネが笑っている


「御父様でした…最後のウルフは何ですか?」

ミーナが少し呆れたようにウルフを見ながら聞く

「アレか? 角有りだろ? 水晶質だからクリスタルホーンウルフか? フェンリルが来なかったか…つまらないな…」

アーレルが笑顔で呟きながらミーナを見ている

「はぁ…やっぱり御父様です…兄さん達に御父様の拳骨は大物をほど強くなると伝えないと…一撃でクリスタルホーンウルフを絶命させる威力が有るなんて…ラドルス拳骨を貰うことをしなければ良いのですが…」

ミーナが呟き

「御父様最強ですから」

セリーナが満面の笑顔でアーレルを見ている

「ただのヒーラーだぞ!! みんなでウルフの片付けしよう」

アーレルが笑顔で言うと、呻き声がするクリスタルホーンウルフの方をみんな見て苦笑いする

「御父様! ラドルスお兄ちゃん死にそうです」

セリーナが笑顔で叫び、みんなクリスタルホーンウルフを見ている

「ラドルス生きていたか…セリーナ、先に獲物を片付けよう」

アーレルが笑顔で言うと、キリーアとケントが不憫そうにラドルスを見ている

(いつもの御父様ですが…ラドルス怪我しているのですか? ラドルス弄りがいつもより酷いような)

「可哀想ですから先に助けましょう! ウルフ片付けして貰わないと」

セリーナが笑顔でアーレルを見ている

「セリーナ、魔法の鞄にウルフを入れるぞ」

アーレルが笑顔で言うと、セリーナが魔法の鞄を開けて、アーレルが押し込んでいる


夜明けになると周囲のウルフの片付けが終わり、全員疲れた様に座り込んでいる

「夜明けだ! 帰るぞ」

アーレルが笑顔で言うと、全員が驚いた様にアーレルを見ている

「御父様、少し休憩しませんか? 」

ミーナが慌てて言う

「良いぞ! ここで更に襲われたかったら」

アーレルが笑顔で言うと、全員が顔を見合わせている

「ウルフは倒しましたが…」

ケントが呟く

「次はタイガーだな! 空腹だろうから、すぐにくるぞ!! 沢山獲物を狩っても良いがな!」

「え! 早く避難しないと…」

キリーアが慌てた様に声をあげる

「避難するぞ」

アーレルが笑顔で言うと、全員立ち上がり歩き始める


2日後ウルソンの町に戻り、冒険者ギルドに入り、カウンターに向かう

「依頼の確認を頼む」

ラドルスがカウンターの職員に依頼書を出して言う

「ウルフ討伐ですね…5頭以上で達成です。討伐確認の部位を提示してください」

職員がラドルスを見て言う

「わかった」

ラドルスが言うと、セリーナを見ている

「カウンターに届かない…御父様」

セリーナがアーレルを見ている

「職員さん、ここでは目立ちますので、解体場に出したいのですが」

ミーナが慌てて言う

「解体場に? ウルフを持ちか……あ! どうぞ」

職員がセリーナを見てから、アーレルを見て案内を始める

(この人なら魔法の鞄を持ってます。 ギルドマスターに報告も必要ですね)


「ここに出しておいて下さい、解体職人を呼んできます」

職員が笑顔で言うと、解体場から出ていく


セリーナは、ラドルスとキリーアとケントが手伝いながら、次々とウルフを出して積み上げている

「えっ!!!」

職員が戻ってくると、山積みのウルフを見て叫び、口を開けて立ち尽くしている

「はっ? ………はーーーーーーーーーーー!」

解体職人が叫び、その声を聞いた職員達が集まってくる

「ん? 足りないぞ」

アーレルが振り向き職員を見ている

「次はどこに出せば良いですか?」

セリーナが職員を見て言うと、職員達が呆然としている

「大丈夫ですか?」

ミーナが返事が無いのを心配して職員を揺する


「目の前に魔物の山が………幻覚ですよね?」

職員が呟き頭を抱えている

「次はどこに出しますか? まだまだいます」

セリーナが笑顔で言う

「え? え? え? 空耳? きっと夢ですね…」

職員が頭を抱えている。キリーア達が見詰めている

(現実逃避しました…この量ならしたくなりますけど…)


しばらくすると、ギルドマスターが入ってきて、ウルフの山を見て青ざめている

「この量…尋常では…アーレル殿何が有りましたか?」

ギルドマスターが青ざめながらアーレルを見ている

「襲われて返り討ちにしたぞ」

「返り討ちに…この量が町を襲っていたら…この町でも終わりだろう…」

ギルドマスターが呟く

「残りはどこに出せば良いのですか?」

セリーナが見上げながら言う

「残り? え?まだ居るのですか?」

ギルドマスターがセリーナを見ている

「まだいます! ラドルスお兄ちゃんの腕を食べようとした大きなウルフもいます」

セリーナが笑顔で言うと、ラドルスが慌てている

「すぐに準備をさせます…何をしている、早く鑑定と奥の倉庫に案内しろ」

ギルドマスターが周囲の職員を見て言う

「え? 奥の倉庫に? 畏まりました」

職員が慌てて言うと、他の職員達と解体職人が慌ててウルフに近付き、1匹ずつ鑑定している


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る